『カレーライスから始まる富山県宇宙創世記』

すべての始まりは、一皿のカレーライスだった。

しかし、そのカレーライスは普通ではなかった。

カレーライスから「カレーライ」を抜くと、残ったのは「ス」だった。
そこに「イス」を加えることで、スイスという新たな存在が生まれた。

さらに文字の変化は続いた。

富山県産のスイス。
富山県産のスカイツリー。

そして、スカイツリーから「スカイツ」を抜いた時、残ったものは「リー」だった。

富山県産リー。

誰も知らない海の生物、リー。
それは富山の海で獲れる幻の存在だった。

リーはマンと一緒に食べることで「リーマン」となった。
しかし、リーマンを食べた者には不思議な現象が起きた。

ショックを受ける。
そして、髭が伸びる。

だが富山県では、それは昔から普通のことだった。

人々はリーマンを食文化として受け入れ、さらに進化させた。

リーマンはカレー風味に味付けされ、カレーと一緒に食べるフルーツ料理となった。

ところが、その料理には秘密があった。

見た目はカレー。
名前もカレー。

しかし味はカレーではなく、コーラ味だった。

そして食べた瞬間、どこからともなくホルストの『木星』が流れる。

その壮大な音楽とともに、世界は変化していく。

富山県は少しずつ移動を始めた。

やがて富山県はハワイへ向かって移動し、最後には魚の姿へと変わった。

富山県魚。

それは大阪湾を泳ぐ、巨大なゼラチン質の生命体だった。

しかし心配はいらなかった。

消えた富山県は、必ずまた大地から生えてくるのだから。

富山県魚となった存在は、イタリア料理として提供されるようになった。

その料理を食べた者は、富山県の一部になる。

だが富山県は減らない。

また生える。

また増える。

増えすぎた富山県は、やがて宇宙へ進出した。

そして宇宙空間を漂うスペースデブリとなった。

それでも富山県は考え続けた。

「宇宙環境は大丈夫だろうか」
「地球の自然は守られているだろうか」

スペースデブリになっても、富山県の環境への思いは消えなかった。

そして10年に一度、特別な日が訪れる。

長野県が動き出す。

長野県は増えすぎた全ての富山県を吸い込む。

それは破壊ではなかった。

再生だった。

吸い込まれた富山県は、宇宙の果てへ運ばれる。

そこで新たな姿へ生まれ変わる。

星。

富山県は星になった。

無数の富山県星が宇宙に輝き始めた。

そして、その星々が放つエネルギーは宇宙を押し広げた。

長い間、人類が正体を探していたもの。

宇宙を支配する謎の存在。

ダークマター。

その正体は――

星となった富山県のエネルギーだった。

こうして宇宙は今日も膨張を続ける。

遠い銀河の向こうでは、新しい富山県が星として生まれ続けている。

そして全ての始まりを知る者は、最後にこう言う。

「すべては、一皿のカレーライスから始まった」

完