さて、今回で特定調停については最後です。
各種法的手続きの中で、特定調停を最初に説明したことには理由があります。
それは、特定調停というものが今後はあまり効力の薄いものになっていく可能性があるからです。
これは金融知識としても覚えておいて損はないと思います。
以前にグレーゾーン金利法案が可決されたという記事を書きましたが、そこに深く関係してきます。
今現在では、消費者金融の金利は利息制限法(上限金利18%)と出資法(上限金利29.2%)の2つの法律のもとで融資利率が決定されています。
そして多くの消費者金融は、出資法での範囲内で融資を行なっています。
特定調停では、この出資法での金利(大体29.2%)を利息制限法での金利(18%)で引き戻し計算を行い、その差額を引くことで減額、もしくは借金をなくすことができるメリットがあります。
※過払いの場合は、別途手続きをしなければ請求できません。
例えば、50万円を29.2%の利息で5年間借り入れをしていて、現在の残高が40万円だとします。
これを特定調停により、利息制限法に基づいて引き戻し計算を行なうと約11000円程度の払い過ぎの金額が出てきます。
(簡易計算)
これを債権者との話し合いによって、利息の差額を現在の残高に当てて債務をなくすことができる可能性があるのです。
ですが、今回グレーソーン金利法案により、利息制限法の上限金利(18%)が消費者金融などの最大金利となり、それ以上での貸し出しは違法となります。
それが3年以内には施行されます。
それ以後の金利は最高18%となるので、そこからの借り入れに対しては引き戻し計算は適用できません。
今まであったグレーな部分がなくなり、今後は白黒はっきりさせる時代がくるのです。
特定調停は、個人で行なえば1万円~多くても2万円程度で行なうことが可能で、比較的複雑ではありません。
もし返済が負担で苦しいと思っているかたは、借金を軽減またはなくすことも可能なので、特定調停なども考慮にいれながら自分の返済計画や今後のマネープランをしっかりと考えておく必要があります。
時代の流れとして、あと5年以内に自分の方向性を決めておかなければ、それ以後から何かを行なおうと思っても難しい時代がくると言われています。
今後は2極に分かれる時代。
その現象があらゆる場所で表れはじめています。
グレーゾーン金利がなくなるということも、その一つでしょう。
今の自分を客観的に見つめてみて、今後のライフプランを考えてみることが重要になってくると思います。