都会のビルの隙間に 風がなびいていた
その風に乗って あなたの匂いが ふっと薫る
立ち止まり 振り返って
あなたの姿を探す わたしの顔を
髪がそっと覆っていく・・・
すれ違う人影の中に
何度も 何度も
あなたの面影を
さがしている わたし
風が強いからかな・・・
目がかすんで よく見えない・・・
街ゆく自転車の ベルの音で
ハッとした 私の目の前に
母の隣りに ぴったり寄り添う
可愛い少女が 微笑んでいた
~大丈夫 そばにいるよ・・・~
どこからともなく 微かに 聞こえてきた
あなたの声・・・
微笑みながら 髪をかき上げ
見上げた 青い空に
ビルから はずれた 眩しい日差しが
力強く 光をはなっていた
