富山県民差別発言 | casanobakaのブログ

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工作機械メーカー7位で富山本社の1部上場の不二越の会長が県の商工会の席上で「わが社では富山生まれで富山育ちで不二越へ入社しようという学卒は採用しない」と差別発言をした。

ネットを始めテレビ、新聞でも取り上げられて大騒ぎとなっている。

同社は1928年に富山で創業して国内シェア7位、売上高2100億円で東証1部に上場している大企業で海外にも30社関連会社を保有している。

いわばグローバル企業でもある。

ただ従業員の80%が富山県出身者であることも事実である。

同氏はそれだけ富山県、富山県人と密接な関係がある企業であり、その存在を富山県の自慢としている県民と県の支援を受けて成長し、国際的にも1流企業として90年も業績を上げ、存続できたかを忘れたかのようにお世話になった県と県民を「閉鎖的県民」だとその県民性を非難している。

富山県出身の社員への叱咤激励なのか、それともグローバル競争の下で国境を越えた戦いが想定される工作機械メーカーの生き残り策として多様な社員を求めているだけなのか不明だが舌足らずも甚だしい。

主要事業をロボットとするようだがそのためには富山県人以外の優秀な社員の採用が多くなることへの富山県民へのエクスキューズのつもりで発言であればまことに失笑の部類に入るものだと断じざるを得ない。

工作業界の産業規模は4兆円と国内の全産業界でのシェアは4,8%に過ぎない。

世界規模で見ればそう言ってはクレームが来るかもしれないが殆ど話題にもならないほどの規模であって今後競争を生き残るには国内の再編成や海外企業との合弁や合併や、画期的な製品の開発等が求められる。

同社が今後事業の柱とするロボット事業の領域では工作業界最大手企業であるファナックが6200億円の売り上げの規模殆どすべてがロボット事業でのもので断トツの実績を保有している。

本社機能の東京1極集中の移転計画もあり地元自治体との交渉や社員との移転に伴う配置転換も大きな経営テーマとなっているだろう。

ワーカという単純労働者を富山に残して残りは東京本社に集中させて競合他社との戦いに力を集中させるものであろうが難航するのは明白である。

更に今後の同社の存続の使命を制するロボット事業も国内外の強豪との戦いは熾烈な生き残りの競争となるのは目に見えている。

更に工作機械業界は自動車や電機等の業界の設備投資次第でいくらでも業績が左右されるという経営の不安定性がある。

所謂産業用機械メーカーであって消費者がエンドユーザーではないので設備投資にしても自動車や電機機械メーカーの好不調に大きく影響される。

自ら業績を立てにくい業界でもある。

2000億円規模の企業で一定の技術力や販路、顧客を保有していても世界規模の不景気や価格競争の波にいつでも飲み込まれてしまうリスクもある。

事業領域をを多角化してもそうスケールメリットに達する分野は少ない。

経営者が難しい経営のかじ取りを強いられているのはわかるが創業の地からの怨嗟の声や混乱が起こるような自らの立ち位置を否定するような発言は経営や愛社精神のマイナスになるだけで慎むべきではなかろうか。