80歳の三浦雄一郎さんが、70歳、75歳に引き続き3回目のエベレスト登頂を目指し、3月末にネパール入りし現在は標高5,350mのエベレストベースキャンプで高度順化を行なっている。

三浦隊は4月16日にエベレストBC入りした後、同行する12人のシェルパ族のための開山の儀式「プジャ」を行なった後に、プモリへ高度順化のための登山をする予定でいたが、降雪により延期になるなど、三浦隊メンバーの体調は悪くないものの、高度順化のスケジュールを少し変えないといけない状況になっているらしい。

自然に逆らうことはできないが、何とか天候が回復し、5月6日以降になるであろう山頂アタックに向けて準備を万端にしてもらいたいものだ。

昨年、縁あって三浦雄一郎さん・豪太さんとネパールに旅行し、標高3,800mのエベレストビューホテルに宿泊、4200mのクンデピークまでトレッキングをした。十分な高度順化の時間がない中でのトレッキングは無謀とも思われたが、豪太さんの適切なアドバイスもあり無事登頂し、チョオユー(8,201m)、ローツェ(8,516m)、エベレスト(8,848m)といったヒマラヤの山々の荘厳なる景色を満喫することができた。

その時に「もう少しエベレストのそばに行ってみたい」という想いと、今年に予定されていた三浦さんのエベレストアタックを応援したいという想いが沸き上ったが、あまり現実味は無かった。

ところが、僕は現実にネパールに向かうことになる。

三浦隊の支援隊として、カトマンズからルクラ(2,827m)までは定期便の飛行機で上がるが、そこからは高度順化も兼ねて10日間かけてエベレストBC(5,350m)までの道のりを歩く。途中、エベレストとローツェを眺めるには最高のポイントであるカラパタール(5,545m)に登るのが今回僕が行く最高地点だ。

当初の予定では高度順化の一環でディンボチェ(4,343m)に降りてきている三浦隊と5月1日に合流する予定になっていたが、現在の状況ではスケジュール変更で会えないかもしれない。しかし、アタック前のエベレストBCに着く5月5日には必ず会えるだろう。

支援隊といっても役割はさほど重要ではない。
登山ガイド1名を含む6名にシェルパを加えた10名程度のパーティは、本隊に向けて日本から物資(50~60kg)を運ぶのと、エベレストBCで単調になりがちな生活をしている本隊メンバーを盛り上げる「こころの栄養補給」係くらいなものだ。

しかし、一瞬でも僅かでも三浦さんや豪太さんのエベレストアタックに寄与することができ、かつ肌でその挑戦の緊張感を感じ取るだけでも価値があると思い、この支援隊に加わることにした僕の気持ちは「ワクワク」としか言いようがない。

壮行会のときに、三浦さんが「待ってるよ!」とがっちり握手してくれて、豪太さんが「久保さん、ベースキャンプで鍋を作って待っているからね!」と満面の笑顔で約束してくれた。

その約束を果たしに、そして今まで自分が到達したことのない未知の世界にチャレンジをするために明日24日深夜、日本を旅立つ。

それでは、行ってきます。