この話は、100年以上前にアメリカのThe New York Sun紙の社説に掲載
されたもので、ある知り合いの方から教えていただいたものです。

心を「ポワッ」と温めてくれるとってもいいお話だったので、もうご存知
の方もいるでしょうが、改めて皆さんにこの一年の感謝を込めて、贈り
たいと思います。

Yes,Virginia,There is a Santa Claus.

『目に見えるもの、手に触れられるものだけがこの世の全てでは
ないのです。たとえ、目に見えなくても、たとえ手で触れることが
できなくても、愛や思いやりは感じられるでしょう?
なら、サンタクロースがいないなんて、誰に言えるでしょう?
たとえサンタクロースを見た人が誰もいないとしても、
それがサンタクロースがいない証拠にはなりません。
この世で本当に大切なことは、大人にも子供にも見えないんですよ。』

*****

「サンタクロースって本当にいるの?」

昔々、アメリカのある町に小さな女の子が住んでいました。
この女の子の名前はバージニア・オハンロン(Virginia O'Hanlon)

ある日女の子はお父さんに尋ねました。

『サンタクロースって本当にいるの?
私はいると思うけど、友達はみんないないって言うの』

8歳の娘にそう問われたお父さんは、
正直返答に窮したのでしょう。娘にこう言いました。

『サンタクロースがいるかどうかは、パパにはわからない。
でも、新聞記者さんに聞いてごらん?
新聞記者さんなら、本当のことを知ってると思うよ?』

そこで女の子は新聞社に投書しました。
『サンタクロースって本当にいるんですか?』と。

小さな女の子がたどたどしい文字で書いた手紙に、
その新聞社は、『新聞の顔』ともいえる『社説』で答えたのです。

以下はその社説の日本語訳です。
少し長いですから、時間のあるときにお読みください。

ご興味のある方は、原文(英語)でも是非お読みください。
http://www.barricksinsurance.com/virginia.html

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■ Yes,Virginia,There is a Santa Claus.
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ニューヨーク・サン新聞社宛てに以下のようなたいへん素晴らしい手紙が届きましたので早速お答えしたいと思います。あわせて、私たちの新聞の読者の中に、この手紙を書いてくれた誠実な人がいるのだということで私たちはとても嬉しく思っていることを記しておきます。

***

私は、8才です。
私の友達の中に「サンタクロースなんていないよ」という子がいます。パパは「もしサン新聞にサンタクロースは本当にいると書いてあれば、きっとそのとおりだよ。」と言ってます。お願いですから本当のことを教えてください。サンタクロースって本当にいるんですか?

バージニア・オハンロン

***

バージニア、「サンタクロースはいない」と言うお友達は間違っていますよ。その子たちは、現代の、何でも疑ってかかろうとする考え方に取り憑かれているのです。そういう人たちは目に見えるものだけしか信じないのです。自分の狭い心で理解できないことがこの世の中にあるはずがないと思っているのです。

でも、バージニア、人間の心というものは、それが大人の心であっても子どもの心であっても、みんな小さいものです。この限りない宇宙の中では、人間なんてただの1匹の虫けらなのです。周りを取り巻く果てしない世界と較べてみれば、この宇宙の全てのことを理解し、知ることのできるような知性を基準とすれば、人間の知性なんて、まるでアリのようなものなのです。

そうです、バージニア。サンタクロースは、いるんです。

この世界の中に、人を愛する気持ち、思いやり、人のために尽くそうとする気持ちがあるのと同じくらい確かにサンタクロースはいるのです。そして、あなたも分かっているように、このような優しい気持ちは世の中のいたるところにあって、そしてあなたの生活を美しく楽しいものにしているのです。

あぁ、もしサンタクロースがいないとしたらこの世はなんてさびしいものになるのでしょう。バージニアような子どもがいないのと同じくらいわびしい世界になるでしょうね。もしもサンタクロースがいなかったら、この世の中で生きてゆこうとする力を与えてくれる、純粋にものごとを信じる子ども
らしい心や、詩もロマンスもなくなってしまうことでしょう。触れて感じるものや目で見えるものの他にはよろこびを感じることがなくなってしまいます。子供の頃の、世界を永遠に輝いた世界にしてくれる、あの光も消えてしまうことでしょう。

サンタクロースを信じないですって! それは妖精がいないと信じるのと同じです。クリスマスイブにパパに頼んで、誰かやとってもらい、町中のエントツを見張ってもらうこともできるでしょうが、それでも、もしサンタクロースがエントツからおりてくるところが見えなかったとしても、それが何の証拠になるでしょう。サンタクロースの姿は誰にも見えないのです。でもだからと言ってサンタクロースがいないということにはなりません。

この世の中で一番本当のものは子どもにも大人にも見えないものなのです。妖精達が芝生で踊っているのをこれまでに見たことがありますか?もちろんないでしょうけれども、それは「妖精がいない」という証拠にはならないのです。この世の中にある見えないもの、見ることができないもの全てを心に思い描き想像することのできる人などいないのです。

赤ちゃんのガラガラを壊して、中の音が鳴る仕組みを知ることはできます。でも、目には見えない世界をおおっているベールは、どんな力持ちが頑張ったとしても、また、今までにいた世界中の力持ちが力を合わせたとしても、決してやぶることができないのです。ただ、信じる心、夢見る心、詩、愛、そしてロマンスだけが、そのカーテンを開くことができるのです。そして、その向こうにある気高く美しく輝く世界を見てそれを描くことができるのです。それは全部本当のものでしょうか? いいですか、バージニア、これほど確かで、これほど変わらないものは、この世の中には他にないのです。

サンタクロースがいないですって! とんでもない。ありがたいことに、サンタクロースは、ちゃんといるんです。しかも決して死ぬことはないのです。今から千年たっても、いや、バージニア、今から百万年たったとしてもサンタクロースは子供たちの心を喜ばせ続けてくれることでしょう。

Merry Christmas and a Happy New Year!!!!