しかし、すぐには走り始めませんでした。(前回からの続き)

実は、本番までの2ヶ月間の練習方針を決めていたのです。

1.歩き始めてたった半年しか経っていない中で、走りの記録を狙っても仕方がない。まずは素のままの自分の走力を計ることを目的とする。

2.練習は片足2.4kgの負荷をつけての毎朝5kmのWalkingをベースとして、走りのペースとフォームを確認するためのRunning練習も1ヶ月前になってからとする。

3.3月末に東京コミュニティスクールのスタッフ合宿が山中湖(1周約13.5km)であるので、その際に10km以上のRunningをしてみる。

自分の中で10kmという距離は、高校時代に遡らなければならないほど遠い昔の記憶にしかない遠い距離でしたが、高校当時は中距離(800m,1500m)を専門としており、長距離の練習もそこそこしていた若き時代の幻影(笑)もあり、10kmなら走れるだろうとも考えていました。

結局、10kmマラソン前の走りの練習は、山中湖1周13.5kmを2日間(3/28,29)と、本番1週間前の4日間だけで、あとはひたすら歩き続けました。

4月15日の谷川真理テンケーマラソン本番は、走り出しはゆっくりでしたが、調子も悪くなさそうだったので徐々にペースを上げていったところ、1.5km地点で偶然、大会ホステスである谷川さんに追いつき、しばらく併走するとついて行けそうないいペースだったので、「谷川さんは今後もイーブンペースで走るだろうから、彼女について行けばペース配分を気にしないで、そこそこのタイムで走れるはずだ。」と考え、それからゴールまで、ずっと併走する作戦にしました。

さすがに最後の2kmくらいはきつくなってきましたが、すれ違う他のランナーが手を振って谷川さんを応援していたことを、自分への応援だと勝手に思い込んで自分を奮い立たせ、何とか最後まで谷川さんのすぐ後ろを走りきり、無事完走することができました。記録は42分02秒と予想以上の結果になりました。

「意外と走れるもんだ。昔取った杵柄だなぁ」

しかし、ほとんど走る練習をしていなかったのに、このスピードで走ることができた意味を、私はこのときまだ全く気づいていませんでした。

振り返る間もなく、さらに新たなチャレンジが私を待ち受けていました。(続く)