「お前らが降りてもオレはバイクに乗っているぜ」
・・と息巻いていた私はその友人たちの誰よりも
早く降りることを余儀なくされてしまった。
だからというわけではないが
「変わらないこと」
は、あの頃できなかった意地の現れなのかもしれない。
あのクーペを購入して28年が経ち
「へええ。まだこれに乗っているんだ」と
呆れられるたびにニヤリと返す私がいる。
最初のオフミで出会った仲間はあのクルマを降りた今でも親交がある。
多くの人を見送ってきたけれど今だ乗り続ける友人たちも
もちろんいる。僕同様に彼らまた車体維持に苦労しているのを
よく知っているからこそ会うたびに
「無理しないで降りていいんだよ」
そして必ず付け加えるのは
「で、その車体俺にくれ(爆)」
「あのーこのクルマ___ですか?」
サービスエリアで出会った若者が声をかけてきた。
「おー車種わかってくれるなんて嬉しいなあ」と僕も応える。
鳴り物入りで売り出したこのクルマも蓋を開ければ
それほど売り上げは伸びなかった。
自分以外で走っている姿を見れたのは5年ほどで
それ以降はミーティング以外遭遇することも
ほとんど無くなった
いつしかそのようなクルマのことをあるくくりで
呼ばれるようになった。
「絶滅危惧種」
この悲しいネーミングセンスいいよねえ(苦笑
それでも年齢を超えて声をかけてくれる人がいるのは
何かしら記憶を残した証明なのかもしれない。
4へ続く
