「ホームページ」「掲示板」

今では死語扱いされ始めたこのモノはそれまで

雑誌の投書欄、口コミ等しか無かった僕らにとって

世界中どこにいても繋がれる夢のような道具だった。

PCの出現と同じくして瞬く間にユーザーの間に広まって行った。

クルマのメンテナンスやパーツ情報はもちろんのこと

テーマらしき事柄を書き込むと次々と意見が飛び交い

毎日がお祭りのよう。もっともマナー・ポリシーという

ルールもろくにない時代だからカキコミがエキサイトして

ケンカ始めるユーザーもいてPC画面の向こうで一喜一憂

していたのもホントの話。正直、顔を合わせないと

人間って敵にも味方にもなるんだなとこの時学んだ。

 

「ん?オフラインなんちゃら?」

「インターネット上のホームページで集まっていることを

【オンライン】、ネットワーク上でないから

直接集まる会合を【オフラインミーティング】って言うんですよ。」

あきらかに年下のエライ管理人さんはアナログな

私にそうやさしく教えてくれた。

へえ~っと感心して見ているその画面は毎日のように

残業で残っていた会社のPCだったのは内緒の

話ですが。

そのクルマのオーナーが集まるホームページに

ほどなくして、はじめてのオフラインミーティングが

開催されることとなったのだが問題がひとつ。

実は極度の人見知りだった私は前日まで行こうか行くまいか

グズグズしていた。会ったことも無い人たちとしゃべれるのかくらい

身構えていたのですよ。今じゃ考えられない話ですが

ミーティングもネット上の友人たちとの交流もみんな初めて

だらけで一歩を踏み出せずいたところ当時の彼女(今の妻です)に

「行ったらきっと面白いんじゃないのお♪」と背中押されて行くことに

しました。

 

当日、集合場所は東北道のとあるサービスエリアが指定されていた。

早起きをして汚れたクルマを掃除して出発。慣れない首都高に手こずり

つつも浦和から東北道に入れた。サービスエリアはもうすぐだ。

エリアに入ったものの広い駐車スペースに友人たちが

見つからずうろうろしていると手を振る人たちが目に入ってきた。

その後ろには当時だってそんなに見かけることもない同じクルマが

ずらっと並んでいる。

瞬間、胸の奥から熱くなりましたね。

「オフラインミーティング最高ジャン!」

 

 

 

集合して管理人さんが簡単に挨拶した後予約した

Cafeに移動するため一斉にサービスエリアを出発した。

初期モデル・現行モデル・オープンモデルと

車種名は一緒ながら明らかに色もデザインも違うのであるが

全台「左ハンドル」の車列が高速の本線へ一斉に向かっていく

「?!」

明らかに見かけないクルマの一団に一般ドライバーが

「なんだコイツら?!」と目を丸くしている。

えへへ、予想通りナイスな反応じゃないか!

本線に合流してもあえてスピードは抑えめだった。

管理人さんがバラバラになるのを避けたのは

当然のことだけどむしろ並んでいるこの姿を

みんなに見せたかったんじゃないか、

いや絶対確信犯のそれだと今でも思う。

 

程なくして高速出口に到着したところ珍しい渋滞が

できていた。全台左ハンドルのドライバーが料金を支払うものだから

料金所の職員さんもびっくりしながらも右側の窓から手を伸ばして

応対してくれたのはありがたい。とはいえ10数台も続けば

解消に結構な時間かかってしまった。

 

Cafeにて自己紹介をしながら初めて会った人とは思えないほど

話が弾む。そりゃそうだ。毎夜掲示板でやり取りしていれば

知らない人間ではないもの。雑談の中で僕の乗る青いクーペが

かなりレアだったことが発覚した。

そもそもこのクルマのCMが赤色を前面に出したものが

かなり話題になっていたため売れ行きも赤に集中したのも

大きく、後期モデルにAT仕様とともに青色がラインナップ

に加えられたものの時すでに遅し、売りの時期を過ぎていたようで

ディーラーから売れ残り系列の仲間入りして直接中古販売店に流れたのが

真相らしい。

 

オフミという一大イベントを終えてそれぞれ生活の地へ去ってゆく

彼らを最後まで見送った私は日常生活に戻ってからも

しばらくの間、余韻で酒が美味く呑めました。

 

3へ続く