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作家修業@ぴろこ

幼い頃から文字に親しんで育つ。
2017年に色彩心理カウンセラーとなり、更に文章を書くことで自らを癒せることを学ぶ。
文章を通して自分のコンプレックスを解消できた経験をもとに、文筆家として活動する。

青椒肉絲(チンジャオロース)にトラウマがあった。
いや、トラウマってほどでもないけれど、

作りたくない料理のかなり上位に入るのは間違いなかった。

 

昔、付き合っていた人が中華料理が好きで、

中でも青椒肉絲が好物だった。
市販の中華料理の素を使って青椒肉絲を初めて作ったら、

「少なすぎる」と言われた。

説明には2~3人前って書いていたから、

大丈夫だと思っていたのに。

わたしはそんなに食べていないのに。


後日、どのくらいの量ならいいのだろうと試したことがある。

倍量でもダメで、3倍の6人前でやっとOKが出た。

彼だけで5人前を食べる計算になる。
材料を切るだけでもかなり時間がかかるし、

炒めるフライパンも重くて泣きそうになった覚えがある。

何より、中華料理の素を買うだけで

予算がオーバーするのが悲しかった。

その頃は今よりもずっと貧乏だったから。

 

結婚してから何度か、青椒肉絲を作った。

自分でタレを作ったこともあったけれど、

思ったよりも美味しく感じられなくて、

市販の素に頼ることにしていた。量は作らないことにして。
 

先日、料理のアプリで青椒肉絲が表示された。

画面をタップして見てみると、かつて作ったタレよりも

ずっと少ない調味料で作れるみたいだった。

これなら、家にある調味料で作れる。

 

家族が増えて食べる量が増えたので、

今回は6人前くらいの量を作ってみた。

昔よりもフライパンが大きくなったけれど、重さは変わらなかった。


皿に山盛りにしてテーブルに出す。

ほとんど味見しないで作るので、

食卓に出してから作った味がわかる。

うん、今回は美味しい。

家族にも好評だし、これからはこの味でいこう。

 

わたしは青椒肉絲を克服した。材料を切る手間は減らないけれど。