4月17日の読み聞かせは
「だいこんどのむかし」
作:渡辺 節子
絵:二俣 英五郎
<ストーリー>
昔ある村でカブやらなんやらたくさん種を蒔いた。
ところがどうしたことか一つも芽が出てこない。
毎日畑を見ては心配していると、たった一つ大根が芽を出した。
みんな大喜び。
村中で水をやって肥やしをやって世話をやいた。
するとこの大根、どんどん育ってずーんと大きくなってしまった。
いよいよ大根抜き。
太い縄をまいて、村中の人でひっぱった。
でもびくともしない。
そのとき急に雷がなった。
雪が降る前の雪おろしさまだ。
するとこの大根がしくしく泣き出した。
「今のは大根おろしさま?」
「いやいや、大根おろしではない。雪おろしさまだ」
「ああよかった。おろされるかと思った」
物言う大根に村人たちはびっくり。
これは食べちゃダメだと大事にしとくことにした。
それからというもの、村は不思議と穏やかになった。
嵐のときもおおかぜはこない。
冬の吹雪にも大雪が入ってこない。
夏には涼しい木陰で子供たちが遊ぶ。
けどこの大根どのはえらいおお飯食い。
毎日うんと肥やしをやらねばじきにしおれてくる。
村人はだんだん面倒になってきた。
おお風も雪も来ない暮らしはありがたい。
でも慣れてしまえば当たり前。
そのうち大根どのが無駄飯食いに思えてきた。
「大根どの、おまえはくっちゃねで何の役にもたたねぇ。
役立たずは食わしておかれん。出て行ってくれ」
大根どのは苦い顔をしてすっぽり出て行った。
この後の村はどうなったかは想像つきますよね。
「慣れてしまえば当たり前」そうだよねぇ。。。
当たり前になってしまったらダメなんだけど。。。
当たり前のものを感謝できる人間にならなきゃだね。