病院に到着してからは早かった。
産んで良いよと言われればいつでも産める状態だった。
病院内を搬送中、エレベーターの中で「まだいきんじゃダメ!我慢して!」と言われたのは覚えてる。
病院の記録によると、
2:28病院到着
2:38出産
となっていた。
本当にあっという間だった。
いきんだ記憶すらない。
いっちゃんは生まれてすぐ小児科の先生の手に渡った。
…心臓は停止していたらしい。
すぐに蘇生処置が行われた。
出産時のいっちゃんの様子や治療のこと、出産後すぐに説明してもらったけど、ほとんど覚えていない。
よくブログで聞くアプガースコアも聞いた記憶がない…。
今も改めて聞く勇気がない…。
38週1日なのに体重は1826gだった…。
ごめんね。
ママのお腹の中、あまりいい環境じゃなかったかな?苦しかったかな…?
いっちゃんを産んですぐ、先生が「胎盤出すよー」と言った…と同時くらいに胎盤とボール大の血の塊が出てきたらしい。
その場がざわついていた。
結果的に見て常位胎盤早期剥離だったらしい。
ただ、典型的な症状とはかけ離れてたって言われた…。
よく分からない…。
出血量は650mlだったので、そこまで多くはないのかな。
それでも身体はガタガタ震えて止まらなかった。
出産後、ほんの少しだけいっちゃんを見ることができた。
いっちゃんの顔よりも、先生の手によって酸素を送られている光景が脳裏に焼き付いている。
処置が終わり、2時間は休むように言われて、薄暗い個室に案内された。
何かの点滴をしてた気がする。
夫とお父さんが付いていてくれた。
準備ができたら小児科の先生からお話があるとのことだった。
結局、説明があったのは午前6時頃だった。
歩ける状態だったけど、車椅子で移動。廊下は薄暗く、とても寒かった。
個室に案内され、いっちゃんの状態やこれからの治療、検査の説明をされた。
聞いたことのない言葉や医療ドラマでよく出てくるような言葉に頭が真っ白になった。
とにかく全て病院に任せるしかない。
いっちゃんの生命力を信じるしかできない。
私は母親なのに何もしてあげれない。
抱っこも授乳も何もできない…。
自分の無力さに絶望した…。
説明の後、夫と一緒にいっちゃんに会いに行けた。
たくさんのチューブに繋がれて痛々しい姿。
低温療法で冷やされていた。
頭には脳波を調べる装置がついていた。
モニターには…小刻みな小さな小さな波が映し出されていた…。
見方がよく分からないけど…何か嫌な予感がした…。
数枚写真を撮った後、看護師さんが家族写真も撮ってくれた。
まだ自体があまり飲み込めておらず、涙は出なかった。
とにかく心配だった。
いっちゃん、生きて!頑張って!