『人間はこの世界があまりにも素晴らしすぎて、
その素晴らしさに気がつかないんだわ』

これは、ソートン・ワイルダー原作の舞台「わが町」のエミリーの台詞。

今日まで…というのがとても残念なんだけれど、
新国立劇場で公演しておりましたm(_ _)m

原作もとてもそのシンプルながら力強い台詞に心を動かされたのだけれど、

昨日観に行った舞台でも、

新鮮さをもってまた感動しました☆

舞台はアメリカ・ニューハンプシャー州のよくあるようなつまらない(と劇中でも説明がある)田舎町。

1960年頃のお話。

その街の住人の生活、特に二家族に焦点をあてて、

3部作で、とある一日というのが

舞台監督という“その街”と私たちの橋渡し役の小堺一機さんによって進行してゆきます。

その大きな二重構造によって、“その街”の人達、

一般に人間がすごすであろう

“思春期”“出会いと結婚”“死”

というものを、ただの舞台上のものだけでなく、現代の私達を重ねて感じさせてくれるのです。

この冒頭に書いた台詞は、その“死”の状態にいる登場人物が

クリスマスキャロルの様に、自分の12歳の誕生日の日に戻って
生きている人たちがあまりにも頓着せず時間をせかせかと過ごすことに愕然とし、

死んでいる自分になって、やっと生きている世界のことが分かる台詞です。

まだ「生きている」私ですが、

この時間ばかりは、「死」の状態になって、生の世界を思えました。

もっと大切に丁寧にいきてゆこう。

そう思った舞台でした(^-^)