188冊目読了~(単行本523P) 2021/4/17発行
東野圭吾の最新刊は、「白夜行」に肩を並べる大作で過去から繋がる「罪と罰」がテーマ。
評価の方は・・・・星4つ★★★★☆
523ページのボリュームながら、真実を追い求めて一気読み必至に
<あらすじ>
遺体で発見された善良な弁護士。一人の男が殺害を自供し事件は解決ーのはずだった。幸せな日々は、もう手放さなければならない。(BOOKデータベースより)
「2017年東京」と「1984年愛知」で起きた無関係のはずの2つの殺人事件が、全く予想外にひとつに繋がっていく予測不能な物語り。
物語りは、「事件を追う刑事」「被害者の娘」「加害者の息子」とそれぞれ立場の違う3つの視点から事件を追っていく
この作品の注目すべき所は、事件の真相だけでなく2つの事件に関わった3つの家族の過去と背負うべきこれからの運命。
今回は、特に誰にも感情移入なく淡々と真相に迫る感じで、少し無理に感じる設定もありつつ相変わらず見事な構成に感嘆
特に、複雑な人間関係を上手くまとめ上げていて、どんでん返しにより見える景色を一変させるのには驚嘆
よく「真実は小説より奇なり」と言われるが、有り得ない内容ながら実際にあったらこんなものかもと思わせる見事な着地
事件の細かい部分では疑問点もありながらも読み応え十分で、東野作品の代表作の1つになる作品だと思います
<読みや意味など不明だった漢字や言葉の覚書き>
芳しくない(かんばしく)・・・調子が良くない、進捗が遅い、出来が悪い、などあまり良く無い状態であること。
徐に(おもむろに)・・・落ち着いて、ゆっくりと行動するさま。
瞠目(どうもく)・・・驚いたり感心したりして、目をみはること。
馘首(かくしゅ)・・・首を切り落とすこと。転じて、免職。解雇。
模る(かたどる)・・・物の形を写し取る。また、ある形に似せて作る。
諦念(ていねん)・・・道理をわきまえてさとる心。また、あきらめの気持。断念。
翻意(ほんい)・・・決意をひるがえすこと。