186冊目読了~(文庫本224P) 2020/6/24発行
2017年発行”カエルの楽園”の続編として、この世界をカエルにたとえた寓話
評価の方は・・・・星3.5★★★★☆
今、コロナ禍にある日本人をツチガエルにたとえ、政治的経済的国難を比喩した作品
<あらすじ>
二匹のアマガエルがたどり着いた夢の楽園は悲劇的な末路を迎えたはずだったが、悪夢の翌朝、二匹はなぜか再び平和な地にいた。今度の世界では、ウシガエルの国で「新しい病気」が流行っていたが、楽園のカエルたちは根拠なき楽観視を続ける。しかし、やがて楽園でも病気が広がり始め…。国難を前に迷走する政府やメディアの愚かさを浮き彫りにし、三通りの結末を提示する、警告と希望の書。(BOOKデータベースより)
主人公のアマガエル2匹をナビゲーター役に、ツチガエルの国”ナパージュ”での物語り
謎の肺炎を引き起こすウイルスが、カエルの世界に蔓延すると言うリアリティのある展開
この物語りは、登場人物が何がモデルか分かって読むとより理解が深まり面白い
ウシガエル=中国人、ヌマガエル=朝鮮人、スチームボート(大鷹)=アメリカなど国を比喩。
ハンニバル3兄弟=陸海空自衛隊、イエストール=高須クリニック、プロメテウス=安倍首相など人物を比喩。
ガルディアン=野党、デイブレイク=朝日新聞、マイク=マスコミなど団体を比喩。
南の崖=尖閣諸島、チェリー広場=桜を見る会、三戒=憲法9条など政治的比喩。
エンディングには、バッドエンド、リアルエンド
、ハッピエンド
が用意されていて興味深い。
物語りでは、現実に起きているこの事態に警鐘を鳴らすのと、報道の在り方や野党の姿勢を糾弾。
また、与党や政府の失策にも言及していて、著者が客観視した論調で描かれている
日本を”ナパージュ(NAPAJ)”と表したり、遊び心や風刺も効いた内容で読み易い作品です
<読みや意味など不明だった漢字や言葉の覚書き>
寓話(ぐうわ)・・・教訓的な内容を、他の事物、主として動物にかこつけて表わした、たとえ話。
邂逅(かいこう)・・・思い掛けなく出会うこと。偶然の出会い。
弄ぶ(もてあそぶ)・・・好き勝手に扱う。
忌々しい(いまいましい)・・・非常に腹立たしく感じる。しゃくにさわる。
傀儡(かいらい)・・・操り人形。くぐつ。でく。
スラップスティック・・・コメディの一種。体を使ったギャグ。