”千利休の切腹”を描いている作品として興味深く鑑賞(2016年公開)
安土桃山時代を舞台に、華道家元が花で天下人へ物申す時代劇。
評価の方は・・・・5段階の4つ★★★★☆
コメディタッチと思いきや意外にシリアスに描かれていて、史実にも乗っ取っている作品
<あらすじ>
戦国時代の京都。花を生けることで世の平穏を祈る「池坊」と呼ばれる僧侶の中でも、専好(野村萬斎)は名手とうたわれていた。そのころ、織田信長(中井貴一)亡きあと天下を手中に収めた豊臣秀吉(市川猿之助)の圧政が人々を苦しめ、専好の友であった千利休(佐藤浩市)が自害に追い込まれる。専好は秀吉に対して、力ではなく花の美しさで戦おうと立ち上がる。(シネマトゥデイより)
「のぼうの城」同様、主役の池坊演じる”野村萬斎”のメリハリのある演技と、利休演じる”佐藤浩市”が名演
また、「麒麟が来る」では秀吉役だった”佐々木蔵之介”が前田利家役で、秀吉役を”市川猿之助”が演じ今となっては違和感
また、秀吉に告げ口ばかりする真面目で嫌な石田三成役を”吉田栄作”が演じるも、イケメン過ぎてちょっと違う感じ
この作品では、あまり注目されることのない”利休の切腹”とその”切腹の訳”にフィーチャー。
信長秀吉に重用され茶人である利休が、何故秀吉によって自刃に追いやられたのか
一般的に言われている史実や憶測を交えつつ、人間豊臣秀吉の心理が描かれています。
けれど、主役はあくまで利休と秀吉に関わったとされ、実在する人物華道家元の池坊専好。
それぞれ茶道華道を通じて、狭量な人となってしまった時の天下人へ決死の進言。
そして、華道を通じて多様性を認める大らかで平らな国を民は願っていくことに
真実はともかく、利休が命に代え貫き伝えたかったことを池坊専好が花で体現します