163冊目読了~(単行本464P) 2018/2/7発行
久々の桐野夏生作品は、家出をし都内を彷徨う女子高生たちを描いた物語り
評価の方は・・・・星4つ★★★★☆
内容は目を背けたくなるもので読了感も良くないが、少女達の心の内が見事に描かれている。
<内容>
幸せな日常を断ち切られ、親に棄てられた女子高生たち。ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネス。かけがえのない魂を傷めながらも、三人の少女は酷薄な大人たちの世界をしなやかに踏み越えていく。最悪な現実と格闘する女子高生たちの肉声を物語に結実させた著者の新たな代表作。(BOOKデータベースより)
今問題になっている、貧困ビジネスやJK買春などを題材に3人の少女の暗い生い立ちや、親元を離れ必死に生きる様がひしひしと伝わってくる内容。
実際、リアルにJKが読んだら「ちげぇーし」となるのかもしれないが、誰かの人生を垣間見ている様なリアリティがある
いずれにせよ、御年68歳になる彼女がこれを書いていることに感嘆する
主に、少女2人の主観が入れ替わりで物語りが進行し、色んな事件が身に降り掛かっていく
どんなに育ちの良い子であっても、親の経済的状況や諸事情である日突然平和は壊され学校にも行けなくなる現実
また、皆親が恋しいながらも裏切られ家出をし、生きていく為に身を売る生活を送っている現実。
この物語りでは、買う側の男たちも醜く描かれていて、変な男ばかり登場し偏りも感じるがそれもまた現実なのかもしれないと思った作品です