147冊目読了~(単行本336P)
3冊続けての柚月裕子作品で、タイトルの慈雨は”恵みの雨”の意
評価の方は・・・・星3.5★★★★☆
刑事もののミステリーながら、お遍路を通じて自身や事件と向き合う男の物語り。
<内容>
警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件に酷似していたのだ。神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件に―。元警察官が真実を追う、慟哭のミステリー。(BOOKデータベースより)
警察官を退官した主人公は、事件の被害者たちに報いる為夫婦で四国のお遍路歩きの旅へ
物語りは、八十八ヵ所の寺を巡る夫婦の動向と、16年前と酷似して起きた事件を追う刑事たちで進んでいく
お遍路の本当の目的は、16年前に解決したはずの事件に対する懺悔であり、覚悟を決める為
頑固で気難しい年輩の男性心理や、若い刑事の感情が見事に描かれていて、とても女性作家が書いたとは思えない程。
事件の真相に迫るやりとりと、お遍路の旅の進捗が上手く交差し臨場感ある展開に。
元刑事とその妻の関係性や心の描写も上手く描かれていて、単なるミステリーに終始していない良さも。
ただ、まとまった仕上がりでとても良い話だったけど、トリックと刑事たちの反応に
後、最後ひねりが欲しかったと言うか、何か起きるのを勝手に期待してしまった
それと、その後どうなったのか、果たしてそれでよかったのかが、気になった作品でした