やっと読了~
色々と面白いと話題の作家さんで、こちらはビートルズの曲と同じタイトルだったので気になっていた作品です
評価の方は・・・・
星2つ半★★★
タイトルは、たまたまではなくやはりビートルズの同ナンバーを意識してのものです。
<あらすじ>
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。(Amazon内容紹介より)
ケネディ暗殺事件をモチーフにした作品で、首相がパレード中に暗殺され、
その犯人として宅急便のドライバーをしていた青年が突如追われる立場になります
まるで、ケネディ大統領暗殺の容疑者で2日後に暗殺されてしまうオズワルドの様
物語りは単純で、とにかく追う国家権力から逃げるだけのお話
なのにこのボリュームで、ハラハラドキドキ先が気になる展開で面白いです
また、街中にセキュリティーポッドと呼ばれる監視カメラがあちこちに設置されていたり、
首相暗殺犯を捕まえる為なら銃の発砲や強引な捜査も許される世界だったりで、
少しだけSF的な要素もありつつも現実的な要素があまりにリアルなので、
もしこういう事になったらこうなるんだろうな~と恐くなりますぞぉー
ケネディ暗殺事件でも国家やある組織の陰謀と噂されていますが、
この作品でもその濡れ衣を追わせる権力の存在に憤りを感じます
しかし、この作品では逃げる青年を応援する人達の温かみがとても良く描かれているので、
読んでいて悲壮感もなく逆に不思議とワクワクさせてくれます
作品自体は、とても読み易く散りばめられた伏線の回収もしっかりされているので、読後感は決して悪くありません
ただ、肝心な所は作者が敢えて伏せているので、そこがもどかしいけど
それでは最後に、作品中に何度も主人公の青年が口ずさむビートルズの”ゴールデンスランバー”の詩の一部でお別れです。
こちらは、ビートルズ最後のアルバム「アビィ・ロード」に収められているメドレーの最初の曲で、昔からとても大好きな曲であります
もしかすると主人公は、帰りたくても帰れなくなった気持ちをダブらせていたのかもしれませんね。
Once there was a way To get back homeward
(かつて そこには 故郷へと続く道があった)
Once there was a way To get back home
(かつて そこには 家へと続く道があった)
The Beatles 「GOLDEN SLUMBERS」(黄金のまどろみ)より