「あら、お隣さん今日はお休みかしら....」おとめ座

 

 

店先の鉢植えに水やりを済ませた店員は、首をかしげながら自分の店に入っていった。

 

いつもならとっくに開いている時間に、まだシャッターが閉まっていたからだ。

 

その日は日曜日で、隣の店の定休日は水曜日であった。

 

 

 

 

ピピッ音譜ピピッ音譜携帯

 

「あ~もう朝か」あせる

 

夕べは少々飲みすぎたせいで、頭が重かった。

 

いつもの時間にセットした携帯の目覚ましが鳴り、

 

俺はいつも通りベッドに入ったまま携帯でニュースをチェックしていた。

 

 

 

「関東のごく一部地域 平地で積雪 車の運転はご注意をビックリマーク

 

の文字が真っ先に目に飛び込んで来て、

 

慌てて飛び起き窓から外の景色を眺めたDASH!

 

その弾みで携帯が床に落ちたが、その事には気が付かなかった。

外は一面、まさかの雪景色雪

 

マジかよ~と心の中でつぶやきながら、いつもより早く朝の支度に取り掛かった。

 

心配していたのは、車で1時間の通勤だ車

 

 

 

通勤には会社で支給されている車を使っているが、ノーマルタイヤの2輪駆動の軽自動車である。

 

もちろん、雪には弱くスリップし易い。

 

ただ軽自動車の場合、タイヤが細いので雪に対しては摩擦係数が低くなり、

 

制動距離も車重が軽い方が短くなるので大きい車より有利ではあった。

 

 

 

しかし、幹線道路ばかり走っているのであれば問題はないが、

 

通りを一本入った道ではやはりスタッドレスがなければまともに走ることは出来ない。

 

辿り着かなかったら、臨時休業かむっ

 

しかし、今日は来客の多い日曜日。

 

店の売り上げを考えると、店を閉める訳にはいかなかった。

 

慌てて積もった雪を払い除けると、エンジンを掛け走りだした車DASH!

 


 

 

「やっぱりハマった~もう、参ったな~」ガーン

JAFに連絡しようにも慌てていた為、携帯が無いことに今更気付いたのだ。

 

そしてその日、

 

等々、店のシャッターが開くことはなかったのである。

 

 

 

 

※この物語はフィクションです。