先日、対人関関係での ご相談ごとがあった。

 

ご本人にとっては人生初めての経験で苦痛すら感じていたようで、時間が経過した今もまだフラッシュバックしてしまうという。

 

相手の方の背景やご本人との関係性を聞いていくと、

相手の方ってこうかなぁ、ああなのかなぁ・・・というのがちらほらうかがえる。

私からしたら明らかに価値観が違うのでは?とも思う。

でもそれはあくまでも私の類推で、相談されてきたご本人の想いとは違うものだ。

 

ひと通り内容をお聞きして、ご本人に「どうしたいと思う?」と尋ねると、

「(相手の方を)理解したい」と返ってきた。

自分でも衝撃的な経験だと感じているが、

「嫌いになれないのだ」と、言う。

 

 

”相手を理解したい” ということなので、

相手の方についておそらくはこういうことなんだろうというのを、交流分析の禁止令やドライバーをベースにお伝えした。

ご本人は人の心の働きに関して興味や理解力が高く察しもよく、話したこと全てに納得で 自分の類推とほぼ合致していた様子。

 

ただ、時間が経過しても当時の経験がフラッシュバックしたり、

身体が縮こまるような感覚になるのは、それはご本人にとってよくないこと。

怒りや悲しみの気持ちを感じないように知らないうちに自分の中でそれを抑えようとしていたのかもしれないが、感情を抑圧していると身体に影響が出てくる。

なので突然 思い出したり、何か不快な感覚が湧いてきたら、深呼吸して吐き出すことをお勧めした。

それらネガティブな感情や反応が湧いてくるのは自然なことだとお伝えした。

 

 

家に戻ってその日のことを思い返してみた。

本人は価値観が合わないことを薄々感じているようだった。

それでも ”嫌いになれない” という、その気持ちも理解できる。

意外とそういう位置づけの人っているかも・・・!

 

例えば、価値観の合わない親や兄弟といった身近な人、

例えば、人生観が全く違う友人、

”合わない” んだけどおそらくどこか、何かで ”合う” んだろうなと思う。

惹かれ合うのか、

補完し合うのか、

これまた人間関係の不思議なところでもあり。

 

合うとか合わないとか、1人の人が誰かに感じる基準は様々あるとは思うが、果たして合う(と思う)人と合わない(と思う)人の割合って平均どれぐらいだろう?

世の中にそんな数字って出ているんだろうか?と急に知りたくなった。

さっそく検索したら、

イタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレートが発見した法則が挙がってきた。

“2:8法則”というのは、

ほとんどの現象には2:8程度でばらつきがあるというもの。

 

この法則を人間関係に当てはめて更にブレイクダウンしていくと、

自分の事が好きと思ってくれている子が2割存在し、6割はどっちでもなく、そしてその他2割が自分の事が嫌いと思う人が存在するという事になるらしい。

この割合のどこに目を向けるかでいろんな見解が生まれてきそう。

検索した情報では、

嫌いな人がいるとしても気にするなとか、

2割の自分と合う人(好意的な人)を大切にしよう みたいな主旨が目立つ。

 

私は「どちらでもない」の6割に想いを馳せてみた。

”どちらでもない” の領域は、その後 合う/合わない のどちらかに移行するかもしれないゾーンといえるんじゃないだろうか。

先述の相談の場合、相手のことを今どこに置いているのかなぁ?と想像するとおそらく合う・合わないの ”どちらにもおけない存在” なのだ。

 

だから 自身の働きかけで合う人(好意的な人)になるかもしれないし、

そのまま合わない人(嫌いな人)になっていくかもしれない。

でも、そこは相談者自身が決めていい。

相手の出方に委ねるんじゃなくて自分から手放すことをしていいんだということだ。

とにかく6割の「どちらでもない」ゾーンはいろんな可能性がある。

そんなことを思ったのと、

パレートの法則を初めて知った私は、少しお利口さんになった気分。

 

 

そもそもあの相談ごとの中で一番に感じたのは、今回相談してこられた本人が感情に流されず、相手と向き合ってきた姿勢のこと。

相手がどうしてそんな言動をとっているんだろうか?と、あらゆる視点から解釈や分析をしたに違いない。

そういう状況では自分がやったことにはなかなか注目しづらいけれど、ご本人がやってきたことは相手を理解しようとする気持ちがあったからこその姿勢だと思う。

 

それは、何よりの真実だ。

 

 

ヒプノセラピールーム【カルペ・デイエム】

今を生きる

https://www.hypno-carpediem.com/