前任、前々任が立て続けに潰れてしまったのと
目の前に広がるただ重く感じる期待と責任に
めいっぱい、疲れたフリをしていたと思っても
「やっぱり前田さんは元気ですね、安心しました」
と、電話の向こうから言われてしまう。
もうつきあいの長い営業さんである。

それが、気合いを入れ直す言葉になることを
知ってか知らずか。いやたぶん知っていて。

「お声が聞けてとても嬉しいです」という
わかりやすい社交辞令をいつもすらすら言うけど、
笑っていても真剣な目の奥を私は知っているから。



何十人もの店長を前に指示を出さなきゃいけない
会議での発表は2回目にしてすでに板についたと
執事みたいにフォローに付いてくれている、
業界ではちょっとした有名人のお爺ちゃん上司も
褒めてくれたことだから今日はよしとしよう。

お爺ちゃん(といっても父親くらいの年齢)は
社内では皆が怖れる専門書のスペシャリスト、
でも本当はおちゃめでめちゃくちゃ優しい。

そして他でもない、兄やんが師匠と謳う人だから
私にとっては大師匠となるのだろう。

あの年で東京からの単身赴任で、それから
移動手段はカブである。似合っているからすごい。





雨予報の頭痛はあっても、雪のときはない。
これは絶対、疲れの頭痛だ。
教育書フェア以外でこんなことになるとは、
想像していなかったなぁ。

でもこの疲労感、嫌いではないんだな。
4時半起きを再開したら、冬の朝の暗い空は
星がやっぱりキレイなんだもん。
一気に休みが4人も出たら、うちの店だったら
ちょっとした騒動になるなぁと、そんなときでも
ひょうひょうとしている子分一号を横目に、
今日は1日となり町の大型店で作業をしていた。

いや、でもイライラしていたよな、あれは。
夕方過ぎに隣に来て座って突っ伏していたもの。



うちよりひどい棚があったもんだな、と
偉そうに改善点をメモしていたら大量になって
子分(…いややっぱり元祖ソウルメイトだな)に
渡すのはなんだか申し訳ない気がしたので、
売り場のスタッフさんに渡してねって
書き置きをしたところにちょうど戻ってきた彼は
メモ軍を見てやっぱりその多さに驚いていた。




助太刀会の次男、元祖ソウルメイトは、ぼそり、
「前田さんは辞めないよね」。

「私は、辛いからという理由では辞めない」と
強く宣言しておいた。

そんな話をするといつも元祖ソウルメイトは
「ふーん、タフガイだねぇ」って言うけど、
「ガイじゃないから!」という主張は通らないのか
いつまでたっても言い換えてくれない。



早番と遅番の入り交じったシフトが辛いと言うから
あんたは今たまたまそうかもしれないけど、
よっぴーはずっと前から毎月そうだよ、そんで
その上よっぴーは一切顔に出さないよと言ったら
またびっくりして、そして恐縮していた。

元祖ソウルメイトとよっぴーが同じくらいなら
カシワギはもう一段階上の忙しさで、私はきっと
一番下だな。まだまだやれるってことだな。


いつか助太刀カンパニーを設立したら、
社長はカシワギ、専務にソウルメイト、
営業マンよっぴーに茶々いれ役の事務、私。

そんなくだらないことを妄想していたら、
やっぱり楽しくなってきた、昭和58年生まれ。


最後は、「みんな頑張ってるんだよね」と
前の方を向けた気がするからよしとしよう。




完成した会議資料も珍しく褒められたことだ。
休日出勤も悪くない。
誘われれば断らないというスタンス以前、
二つ返事でお誘いをうけたのは、早稲田出身組、
3人の若きホープたちのパーティーだった。


当たり前のように着た1番のユニフォーム姿は、
かしこまったスーツの人ばかりだっただけに目立ち、
本人もこれはほんとに僕のパーティーかと
びっくりしたことだろう。とんだ粗相である。


「“1”がひとつ足りないです」
と、少し不機嫌にさせてしまった最初の写真。
photo:01



それでも、“本当に前田であること”など
力説していたら、呆れ顔でも笑ってくれて、
抽選会でサインボールを見事GETしてしまって
立ち上がった私に、「どうぞ、前田さん」と
覚えた名前を呼んでくれたのだ。
photo:03



インパクトって、大事である。。


サインタイムにみんなと写真を撮っていたけど、
こんなくだけた笑顔は、絶対に私の時だけだった。
まったく、一生分の運を使い果たした気持ち。
photo:02






会場入りして、座った席の隣が「指定席」
と書かれていたので、どんなお偉いさんが
座るのだろうとドキドキしていたら、なんと、
座ったのはこの日の主役の1人、育成選手の
塚田くん(身長193cm)だったので、私は息を呑んで
固まったまましばらく動けなかった。

横でニヤニヤしながら見ていた同行者たちが小声で
「何かしゃべれ」「もてなせ」とうるさい(笑)ので
勇気を出して話しかけた数分後には、その若さが
かわいい後輩のように思わせて質問責めにして
圧倒してしまったかもしれない。
photo:07



「いつからファンなんですか」と聞かれ、
それきたと、「生まれる前からだよ、だって、
赤い血が流れてるもん」って言ったら、
「それ、全員ですよ」と冷静に突っ込まれて
また笑って舞いあがっていた。


実は早々に、花束贈呈の大役を仰せつかっていて
さすが、次々に料理を食べるプロ野球選手の横で
緊張でほとんど何も食べられずにいた私を見て
同行者たちはまた愉快そうにしていた。


席が1番遠く離れていた今年のルーキー、
土生くんとはこの写真のひとときのみ。
photo:04


大学生というよりも、高校球児みたいな
初々しさ、あどけなさを残していた。


photo:05


贈呈相手の塚田くんは、もう運命だから、
今年は由宇に通おうと誓った。
背番号129番のユニフォームをオーダーしろよ
と、同行者たちに言われた。





あぁ新年早々、こんなに幸せでいいのかと、
フワフワしたまま3日間が過ぎて、今日やっと
溜まった仕事を片付け始めたところ。


開幕はまだ遠いけど、また熱いシーズンに向けて
体が少し軽くなったみたい。


ラーメンは好きじゃないけど、その日のおわりに
並ぶことなく食べれた一蘭のラーメンは
不思議、美味しいと思っちゃった都合のいい私。

春からのシーズンが、また一段と盛り上がりそうで
ワクワクしています。


photo:06