ここまで2024年9月におけるカープの歴史的大失速について仮説1~4まで考察してきた。

【仮説1】9月に入っても続いた酷暑の影響

【仮説2】オールスター後、”飛ばないボール”が変わったのではないか

【仮説3】大砲不在の貧打線に伴う低い援護率が投手を疲弊させたのか

【仮説4】単純なスタミナ切れだったのか

上記の結果を踏まえて総括に入りたい。

 

大失速の原因①「酷暑」

【仮説1】で記した通り、酷暑の9月上旬にデーゲームを組んでいたことに加えて雨天中止による過密日程となってしまったこと。

そして屋外球場を本拠地とするチームの疲労度の大きさ。

下記の通り、屋外球場を本拠地とする投手はわずかながらオールスター後の防御率が悪化する傾向にあることが分かる。

 ※屋外球場を本拠地とする規定投球回数達成投手のオールスター後の防御率の悪化率49%

 ※ドーム球場を本拠地とする規定投球回数達成投手のオールスター後の防御率の悪化率45%

 

大失速の原因②「”飛ばないボール”の変更」

【仮説2】で記した通り、両リーグの平均長打率が【オールスター前】335、【オールスター後】3582分3厘上昇していた。

このことからシーズン当初の”飛ばないボール”が密かに変更された可能性はあるのではないかと疑念が残る。

このボール変更はカープの貧打線への恩恵は少なかったが、投手陣への影響は大きすぎたのではないだろうか。

 

大失速の原因③「低援護率」

【仮説3】で記した通り、森下投手は援護率「3.66」と高めながら大瀬良投手は援護率「1.75」、床田投手は援護率「2.34」とカープ打線の貧打が目立つシーズンとなった。

しかしながら2011年~2023年における規定投球回数達成投手の援護率とオールスター後の防御率の関係は下記の通りであり、援護率の低さにより投手の防御率が後半悪化するとはいえないとの結果となった。

ただ、援護率が高い投手の防御率の悪化率は援護率が低い投手に比べて7%低いことから打線の援護は重要であるといえるだろう。

 ※援護率が低い投手​​​​・・・「オールスター後における防御率の悪化率47%

​​​ ※援護率の高い投手・・・「オールスター後における防御率の悪化率40%

 ※規定投球回数達成投手・「オールスター後における防御率の悪化率46%」

 

大失速の原因④「スタミナ不足」

カープの主力3投手(大瀬良、床田、森下)は今年だけではなく後半、特に終盤失速する傾向にあり、根本的なスタミナ不足であると言わざるを得ない。

逆に言えば、前半は文句なしなのだから自主トレやキャンプの過ごし方は間違っていないだと思う。ただ、オールスター以降の調整については今までのやり方だとダメなのかもしれない。

菅野投手など一流投手の調整法を学んではどうだろうか。

 

総括

仮説から原因を列挙したものの、カープ失速に関して決定的な何かがあったわけではなかった。

ただ「酷暑のデーゲーム」「屋外球場」「ボールの変更疑惑」「援護率の低さ」「スタミナ不足」と一つ一つは決定打ではないものの複合的な要因が重なって9月の大失速を招いたといえる。

勝負の9月での首位から4位転落という衝撃はファンよりも選手達の方がショックは大きかったと思う。

なにはともあれ今年も楽しませてくれた選手、監督やコーチ、スタッフの皆さんに感謝を言いたい。