完封負けがチラつく9回の表に土壇場で同点に追いついて延長戦に持ち込み、10回の表に即勝ち越しての逆転勝利!最小失点で切り抜けながら勝機を伺い、ここぞというところで勝負をかけて勝つ。今シーズンのカープの戦い方をそのまま実行した試合でした。相手は勝てると思った試合を落としたわけですから結構ダメージが残るでしょう。敵地東京ドームで2勝1敗の勝ち越し。十分な成果です。気分よく広島に帰ることができますね。
9回の表の小園の同点タイムリーと10回の表の矢野の勝ち越しタイムリー。この2本が試合を決めたわけでしたが、小園は追い込まれてからしぶとく当ててセンターへ抜けるヒットで、矢野は粘って粘ってやっと捉えた打球がレフト前に飛んでのヒットでした。いずれも豪快な打球が飛んでのヒットではなく、何とか当てていってそれがタイムリーになったという本当にしぶとさが前面に出たバッティングでしたね。このタイムリーが出た時の東京ドームに鳴り響くカープファンの大歓声。凄かったですね。テレビ越しに聞こえるこの大歓声がとても心地よかったです。こういう粘りがあるからこそ今カープは首位にいるというのを実感できる試合でした。
ただ、打つ方はわずかに2点。やはり投手陣の奮闘が光ります。特に先発したアドゥワが頑張りました。6回途中まで投げて10安打を打たれながら失点はわずかに1。三者凡退だったのが5回の裏だけで、あとは全て得点圏にランナーを置きながらのピッチングでしたから、常に追い込まれながらいつ崩れるかという感じでした。それでも守備のバックアップがあってうまく切り抜けましたね。初回は小園がサードゴロをファーストに投げると見せかけて2塁ランナーを誘い出して挟殺プレーでアウト。2回の裏は1アウト満塁というピンチで戸郷を冷静に5-2-3のダブルプレーで仕留めました。特にこの2回の裏の満塁のピンチは、小細工なしで戸郷に普通にバッティングしてもらって助かりました。粘りのピッチングを見せたアドゥワに白星がつかなかったのは残念ですが、1勝分の価値が十分あるピッチングだったと思います。
リリーフ陣は、塹江→森浦→黒原→島内とつないで、勝ち越した10回の裏は守護神の栗林できっちりと無失点リレーで締めました。9回の裏の島内のところが2アウト1塁3塁となってピンチになりましたけど、4番の岡本を詰まらせてサードゴロに打ち取り無失点。ここをうまく切り抜けて、最後の栗林はわずか6球で3つのアウトを奪い、貫禄十分のピッチングでした。栗林は8/9の阪神戦以来の登板で随分と久しぶりになりましたけど、いつもと変わらず安定感のある投球を見せてくれました。これで33セーブ目となり中日のマルティネス(34セーブ)に1つ差です。セーブ王を十分狙える位置にいるので、タイトルを狙って頑張ってほしいですね。
いい勝ち方でスカッとします。この3連戦は敵地ですし1つ勝っておけばOKかなと思っていたところ、2つも勝ってカード勝ち越しですから十分な成果です。まだまだ優勝争いというところは続いていくと思いますけど、相手が勝負どころと思って意気込んでいた直接対決の3連戦をうまくいなすことができたわけですから、カープとしては優勝に向けて自信のつく3連戦になったと思います。次は3位の阪神との対決。注意しないといけない相手ですが、本拠地マツダでの試合なんで何とかうまくいくでしょう。次も勝ち越して、しっかり首位固めといきたいところです。
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