これが今シーズンのカープの野球という、まさにそんな感じの試合でした。相手の先発早川に対してカープ打線が全く打てずゼロ行進。ならその早川を何とかやり過ごして、次に出てくるピッチャーの時に勝負するしか勝ち目がないという試合展開の中で、それを見事にやり遂げられたのは、何と言ってもカープ投手陣の粘り強いピッチングがあったからこそです。大瀬良が7回まで投げて無失点。そこから8回島内、9回栗林とつないで延長戦に持ち込み、10回は塹江森浦でしのいで、1点リードした11回はハーンが締めて無失点リレーを完成させました。打てなくても、こういう勝ち方ができるから、今カープはセ・リーグで首位にいられるんだと改めて感じました。

 

それにしても楽天先発の早川がめちゃくちゃストライク先行のピッチングで打てませんでした。10回まで投げて117球。チャンスがあったのは、6回の表に二俣の左中間への2塁打で1アウト2塁とした場面と、8回の表に會澤の四球と送りバントで2アウト2塁とした場面の2度だけ。6回の表の方は、秋山と矢野が連続空振り三振。8回の表も秋山が空振り三振で、全く打ち崩すことができませんでした。1点でも楽天に点を取られていたら、普通に完封負けの試合です。こういうピッチャーに当たって、よく勝てたなという感じがします。

 

何とか早川が10回でマウンドを降りてくれて、11回の表は宋が登板。ピッチャーが代わってどういった攻撃ができるかというところで、先頭の二俣が外角の低めの球に何とかバットを当てて一二塁間を破る渋いヒットで出塁したのが大きかったですね。すかさず代走羽月。ここで勝負をかけたいというベンチの意図が見える中で、秋山が送りバント成功。さらに羽月が三盗を仕掛けて成功し、1アウト3塁。やっと訪れたこの試合3度目のチャンスで矢野がライトへ犠牲フライを放ち、欲しかった1点をようやくもぎ取ることができました。結果ワンヒットで1点です。打てない中でどうやって点を取っていくかというのを今シーズンはずーっと続けてきましたから、その成果が交流戦でのこういったしびれる展開の試合で出せたというのは良かったと思います。

 

投手陣はまず大瀬良がよく粘りました。7回を投げて、111球、被安打7、四死球ゼロで無失点。最大のピンチは3回の裏、1アウトから3連続ヒットで満塁となった場面でしたが、5番の渡邊をファーストゴロ、6番の浅村を見逃し三振に打ち取って無失点。1点でも取られたら厳しい試合になりそうだという中で、ここは大瀬良が本当によく踏ん張ってくれました。

 

次のピンチが8回の裏。島内が先頭の3番辰巳をヒットで出してしまい、その後申告敬遠とヒットが絡んで2アウト満塁となりましたが、代打茂木をファウルフライに打ち取って無失点。ここはもう1点取られたらあとは9回の1イニングしかないというところだったので、島内がよく踏みとどまったと思います。

 

10回の裏も2アウト満塁のピンチ。浅村を申告敬遠してフランコにレフトへヒットを打たれて満塁になるというのはまさに8回の裏と同じ展開でしたが、ここは森浦が冷静に投げて次のバッターをセカンドゴロに打ち取って無失点。こう振り返ってみると、打線が点を取るまで本当によく投手陣が粘って投げてくれたというのが分かります。

 

そして待望の1点が入った後の11回の裏はハーンが登板。最後は矢崎がいくのかなと思っていたら、カープベンチはここでハーンをもってきました。いよいよタフな場面でハーンを使うようになりましたね。そのハーンが完璧なピッチングを披露。150km台のストレートで三球三振。当てるだけのショートゴロ。最後は初球を打ち上げてセンターフライです。こういったピッチングを見てしまうと、どんどん勝ちパターンで使いたくなります。次の登板も楽しみです。

 

これでカープは交流戦9勝7敗で4位タイに浮上。あと1つ勝てば交流戦の勝ち越しが決まります。楽天はそう簡単に勝てる相手ではないと思いますが、ここまで来たら残り2試合、玉村アドゥワに頑張ってもらって、気分よく広島に帰りたいところですあと2つ勝ちましょう。

 

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