9回の表、2アウト満塁でリードは僅かに1点。九里の今シーズン初勝利がかかる中、カウントはフルカウント栗林が投じたこのイニング30球目は渾身の149kmストレート。そして結果は空振り三振‼絶対に抑えるという栗林の気迫が勝りました。これだけ熱い場面はシーズンを通してもそうはないと思います。いい試合を見ることができました。

 

九里が8度目の登板で今シーズン初勝利!ようやく白星がつきました。過去7度の登板ではQSが5度あるも、無得点も5試合と援護が少なく、九里が投げた試合は5敗2分と厳しい状況でした。この試合に初勝利をかけて投げたわけですが、正直そこまでいいピッチングではなく、6回途中で降板するまでに被安打8の四球2という内容。相手に2点先制を許しましたし、九里が送りバントをできずランナーを3塁まで進められなかったという場面もありましたし、この試合も負けフラグが立ちそうだったわけですが、そんな状況をチームが一丸となってひっくり返してくれました。

 

2点先制されてちょっとどうかなという雰囲気を一気にガラッと変えたのが5回の裏の小園逆転タイムリーですね。アウトコースに逃げながら落ちる球をうまく三遊間へ運び2点タイムリーとしました。このイニングはノーアウト2塁の場面で九里が送りバントを成功させることができず、嫌~な空気が一回立ち込んでしまったので、2アウト2塁3塁で小園がタイムリーを打たなければ本当に負け試合になってしまったかもしれません。この小園の勝負強さのおかげで、九里に勝ち投手の権利が生まれました。

 

しかし九里は逆転してもらった次のイニングで先頭バッターの岸田に2塁打を打たれ、送りバントで1アウト3塁というピンチを作り降板。ここで犠牲フライでも打たれてあっさり同点にされてしまったら、また九里から白星が逃げていく状況だったのですが、そこに現れた救世主が森浦でした。四球を出して1アウト1塁3塁とするも、次のバッターで4-6-3のゲッツーを奪い無失点。九里の勝ち投手の権利が逃げていきそうなところを、しっかりと食い止めました。

 

もう一人九里の白星に貢献した選手を挙げるとすれば、6回表から守備をレフトからファーストに移していた二俣でしょう。9回の表に1点差に詰め寄られてなお1アウト1塁3塁という場面で巨人ベンチが初球セーフティスクイズをしかけてくるわけですが、一塁方向へ転がった打球を二俣が素早く処理してバックホーム。ここしかないというところへ送球して見事に3塁ランナーをタッチアウトにしました。坂倉のタッチも無駄な動きがなく素晴らしかったです。ここで同点になっていたら、さらに巨人の攻撃が続いて試合結果がどうなるか分からなかったところでした。二俣のフットワークの良さと送球の良さが九里の白星をがっちりキープしました。

 

こうして試合を振り返ると、試合後のお立ち台に上がったのは、九里の他に小園森浦だったわけですが、さらに二俣栗林を加えてもよかったですし、そこには貴重なソロホームランに投手陣をうまくリードした坂倉も入るでしょうし、4回の裏に1点を返すタイムリー2塁打を放った羽月や継投で無失点だった矢崎島内も九里の白星を助けているので、お立ち台に上がる権利を持っていたと言えます。九里を囲んで10人ぐらいが、お立ち台で九里の今シーズンの初勝利を祝ってもおかしくないぐらいでした。まさにチーム一丸。この1勝で九里も乗ってきてくれるでしょう。新井監督の試合後のコメントどおり、いい一日になったと思います。

 

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