16日は、河田ヘッドコーチが、上本三好に、春のキャンプまでに犠打を磨くように指示を出しているという記事がありました。昨年の秋季練習では、ソフトバンク今宮の犠打の場面の映像を2人に見せて、「芯に当てて球を殺せるようにしておいて」と指導をしていたとのことです。技術的には、バットの芯に当たると球は反発するので、バントで芯に当ててうまく転がすには、体全体、肘を柔らかく使いながら勢いを吸収しないと難しいようですね。

 

上本と三好という控えメンバーにバント練習の指示を出すということは、試合終盤での「代打バント」もあるということになりますね。河田ヘッドコーチの頭には、競った試合を取るためには、試合終盤に出たランナーをきっちり得点圏に進めて、そして勝負強いバッターで試合を一発で決めるというイメージがあるんじゃないでしょうか。上本と三好が代打でバントして、勝ち越した後、そのまま守備固めで入って、競った試合を逃げ切ることができれば理想的ですね。守り勝つ野球の1つの戦術と言えそうです。

 

河田ヘッドコーチは、春のキャンプでは、田中広輔や菊池ら主力選手にも、例年以上に犠打練習を課す方針とのこと。どうやら2021シーズンのカープは、犠打を駆使した野球というのが1つポイントになりそうです。控えメンバーだけではなく、スタメンで出るようなメンバーにも犠打練習を課すということは、試合の終盤だけではなく、序盤から犠打を使って点を取りにいく戦術も使っていくよという河田ヘッドコーチのメッセージのような気がします。

 

序盤から犠打を使って点を取りにいく戦術としては、例えば、相手先発投手がエース級で、最近の登板でかなり調子がいいとなれば、ただやみくもに打ちにいくだけでは簡単に点が取れませんから、序盤から犠打を絡めながら機動力を駆使してプレッシャーをかけていき、先にうまく1点取って試合を優位に進めるというのが考えられます。あるいは、前日の試合で1点も取れなかった時なんかは、次の試合もなかなか点が取れないと、打者は点を取らなきゃというプレッシャーがかかってバッティングが固くなりますし、投手はもう1点もやれないということでピッチングに力みが出てくるので、早めに1点取ってチームを楽にさせるために、序盤から犠打を使って得点圏にランナーを置く場面を多く作っていくということも考えられます。

 

序盤から犠打を使って点を取りにいくというのは、ベンチが意図をもってやるのであれば、効果的な戦術になり得ると思います。ただ、例えば、相手先発が立ち上がりに苦労している時なんかは、単純に序盤から犠打を使うとアウトを1つ簡単にあげることになるので、この戦術は「愚策」ということになります。要はケースバイケースなんだと思いますが、河田ヘッドコーチであれば、犠打を絡めた戦術をうまく臨機応変に使い分けてくれるような気がします。序盤から単純に犠打を使う試合もあれば、今日も犠打でいくと見せかけてバスターを仕掛ける試合もあるといったように、犠打1つだけでも相手バッテリーを揺さぶることができます。犠打の練習を増やすというのは、犠打を絡めて作戦のバリエーションを増やしていきたいという意図を感じます。

 

2021シーズンのカープは、河田ヘッドコーチのもと、「カープは何をしていくるか分からない」といった印象を相手チームにもたせるために、シーズン序盤から、機動力を駆使したアグレッシブな野球をしかけていきそうです。相手チームが嫌がる野球をしつこくやるイメージです。そうした機動力を発揮する1つのツールとして、犠打の精度をもっと上げてほしいというのが、河田ヘッドコーチの要求なんだと思います。昨シーズンは単調な攻撃が多かった印象があるので、2021シーズンはバリエーション豊富なテンション上がる攻撃を数多く見せてほしいですね。

 

↓クリックしてもらえると嬉しいです。励みになります。

にほんブログ村 野球ブログ 広島東洋カープへ
にほんブログ村