女史です。
少しだけ真面目な話を。
三号は虐待され、
捨てられて、
保健所へというある意味、
王道の不幸犬。
どんな虐待をされたのかは、
無口な三号から聞き出すことはできない。
洗濯物を取り込もうと手を上げるとビクッとし、
やかんがかけっぱなしと慌てて立ち上がるとビクッとする。
一号と二号はのほほんとしていても三号は怖いみたい。
家に来た時は爪が肉きゅうに食い込み、
皮膚病で所々はげがあり、
耳もかきむしって血が出ていた。
目は目やにで半分も開いていなくて、
そのまなざしはあまりにも表情がなかった。
今も一人ぼっちにできない。
必ず、人間か一号か二号がいないと不安でグルグル回る。
寝る時も一号か二号にぴったりとくっついて眠る。
もう誰も三号を叩くことはないし、
置いていってしまうこともないのに。
頭にあった切り傷も
右後ろ足にあった根性焼きの火傷も
毛が隠してくれるようになったけど、
心の傷は隠れてくれない。
今日、病院で
「三号は幸せな顔になったよね」
と言われて、小躍りした。
でも、もともと幸せな顔をしていなけりゃいけなかったんだよね
と思い直し、少し哀しくなった。
そんな飼い主の覚書です。
二号、飼い主が真面目なことを思って
おやつをあげてるのだぞ。
ちょっとは聞けよ。
