悲しきJリーガー | 旅屋・唄い屋・法律屋     

悲しきJリーガー

プロスポーツ選手って、儲かるらしい。

というのは、もしかして、ごく一部の人かもしれない。

日本のプロ野球は、1軍と2軍があって、基本的には同じチームですよね。
だけど、アメリカのプロ野球チームって、メジャーから3A、2A・・・と全部で300以上あるらしいです。

下位のリーグに降格したものなら、お給料だってガクッと下がる。
日本ではまずありえない、と思っていたら、こんな相談がきました。


そう、Jリーガーからです。

「自分の所属するチームが、J2に降格したので、収入が減りました。
家のローンも、娘を私学に行かせるお金も払えないです。どうしたらいいですか?」



・・・この人、ヘディングで首のヘルニアになっています。


それはしょうがないのですが、それを理由に、他の仕事(アルバイトね)が出来ないといってます。

でも、クロダ、ここは法律屋うんぬんとしてではなく、こう言いました。

「甘えるのはやめましょうよ。チームが負けたのは、あなたの責任でもあるんです。あなた1人の責任ではなくても。そうでしょ?男は責任を取る生き物デス。」

つまり、プロ選手としてのプライドが邪魔して、アルバイトなんかは、できないというのです。
この人、一瞬ムッとしましたが、すかさずクロダ、言いました。

「私だって、ホントはここで、法律なんかやって、あなたの悩みを聞いてる人間じゃなかった。
ホントなら、今もギター、弾いてますよ。
でも首を悪くして、手が麻痺したりして上手くギターが弾けなりました。
悔しくて、情けなくて、つまらなかったけど、手術もして、我慢して他の仕事やって、そしてここにいるんです。」

そして、おもむろにネクタイを緩め、シャツのボタンを外し、後ろを向いて、
「これを見て下さい」
と、首の傷を見せたんです。
そう、手術の痕です。よく見ると残ってます。


するとこの人、ポロポロ泣きはじめて、

「すいません、すいませんセンセ。」
と言いました。
そして、

「その傷触ってもいいですか?」と聞かれたので、
いいよ、と言うと、

「わあー、わあー・・・。この指の感触を忘れないで、がんばっていこうと思います。」
と言って帰って行きました。



これが、クロダ流。


弁護士はやらないですよ。こんなこと。





法律なんて、ここまで届かないサ。