監督:土井裕泰

原作:塩田武士

 

脚本:野木亜紀子

撮影:山本英夫

音楽:佐藤直紀

主題歌:Uru 『振り子』

 

 

出演:小栗旬、星野源、松重豊、古舘寛治、古舘寛治、火野正平、宇崎竜童、梶芽衣子、宇野祥平、篠原ゆき子、原菜乃華、阿部亮平、尾上寛之、川口覚、阿部純子、水澤紳吾

2020年/日本/142分

公式サイト

評価:★★★★★★★☆☆☆


1984年に日本中の話題をさらい、未解決のまま時効になった『グリコ・森永事件』の真相を推理したミステリー小説の映画化。本作では、グリコをギンガ、森永を萬堂、かい人二十面相をくら魔天狗などという風に変えてあるので、いかにも嘘っぽく感じられてしまうんだけど、事件の経過などは史実通りだったようだし、真相もこの通りかも知れないと思わせられるような内容で、結構面白く観ることが出来ました。


この原作者は、実際の事件が起きた時はまだ5才だったようだけど、学生時代に事件に関する書物を読んで、自分と同じぐらいの年齢の子供の声が脅迫電話に使われていたことを知り、その子供を主人公にした小説にすることを思いついたらしい。


それもなかなか面白い切り口だったけど、その子供と新聞記者が、偶然30年前の事件について、ほぼ同時に調べ始めるというのは、いかにも作り話みたいで気に入らなかったかな。せっかくリアリティーを追求したような内容になっているのに、嘘っぽい設定や嘘っぽい演出などで、随分損をしている作品のように思いました。それでも何とか面白く観れたのは、野木亜希子の脚本の上手さのせいもあるのかも知れませんね。小栗旬と星野源の交流シーンなどは、ユーモアも交えて結構上手く書けていたと思いました。


でも、この事件が起きた時は、私は26才だったけど、警察をおちょくったような犯人グループの脅迫状が痛快で、どちらかというと犯人グループの方を応援していたようなところもあったかもね。(^^; 本作には、そういう感覚が感じられなかったのがちょっと残念でした。