監督、脚本:フィリップ・ヴァン・レウ
撮影:ヴィルジニー・スルデー
音楽:ジャン=リュック・ファフシャン
出演:ヒアム・アッバス、ジャマン・アブー・アブード、ジュリエット・ナヴィス、モフセン・アッバス、ムスタファ・アル・カール、アリサル・カガドゥ、ニナル・ハラビ、ムハンマド・ジハード・スリーク
原題:Insyriated
2017年/ベルギー、フランス、レバノン/86分
評価:★★★★★★★☆☆☆
爆撃や市街戦が続くシリアで、一歩外に出ればスナイパーに狙われる危険性もあり、さらに強盗の侵入に備えてドアには閂を掛け、空爆の危険にも怯えながら、マンションの中に籠って過ごす人々の恐怖を描いた室内劇。
直接の戦闘シーンは描かれていないので、今年公開されたドキュメンタリー『娘は戦場で生まれた』などの凄まじさと比べると、娯楽スリラーのような感は否めなかったけど、それでもシリア内戦の悲惨さは十分に伝わってくる異色の戦争映画でしたね。
私も2~3年前に、シリアに赴任しているアメリカ陸軍の女性と、フェイスブックのメッセージを通して少し話をしたことがあったんだけど、職業軍人ですら危険なシリアには居たくないと言っていたものだった。シリア内戦は現在もなお続いていると思うけど、最近はあまりニュースにもならなくなって来ていて、戦闘状態が日常になってしまっていることに、泥沼の恐怖を覚えます。