監督:ジョー・タルボット

脚本:ジョー・タルボット、ロブ・リヒャート

撮影:アダム・ニューポート=ベラ

音楽:エミール・モッセリ

出演:ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メジャース、ダニー・グローヴァー、ティチーナ・アーノルド、ロブ・モーガン、マイク・エップス、フィン・ウィットロック、ジャマル・トゥルーラヴ

原題:The Last Black Man in San Francisco

2019年/アメリカ/121分

公式サイト

評価:★★★★★★★☆☆☆

 

これは、主演のジミー・フェイルズと、監督のジョー・タルボットの実体験を基にした自伝的作品だけど、ジェントリフィケーションによる人種差別をテーマにした社会派ドラマみたいなところもありましたね。


本作の舞台になっているサンフランシスコのフィルモア区は、かつては日系人が多く居住していた地域だったようだけど、第2次世界大戦が始まると彼らは強制収容所に連行され、そうして空き家になった家に黒人が移り住むようになったらしい。


本作の主人公のジミーは、そんな黒人一家に生まれたようだけど、やがてジェントリフィケーションと呼ばれる都市の再開発が行われて、黒人たちは立ち退きを余儀なくされることになったよう。


それで生家は高級住宅街に生まれ変わって白人の老夫婦の手に渡り、一家は離散してジミーは狭い親友の家に居候しているという状況。


それでも、戦後に祖父が建てた家と聞かされていたジミーは、生家への愛着を捨てきれず、何とか取り戻そうとするものの、現実の壁は厚かったという話でした。


黒人たちが住んでいた頃は、ジャズのメッカとしても栄えていた街だったようで、本作の中でも度々流れるジャズの名曲が、ノスタルジックで感動的だったけど、アメリカというのは、基本的にはやはり人種差別の国なのかも知れませんね。