監督、脚本:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
撮影:アントワーヌ・サニエ
音楽:グランドブラザーズ
出演:ヴァンサン・カッセル、レダ・カテブ、エレーヌ・ヴァンサン、ブライアン・ミヤルンダマ、アルバン・イヴァノフ、バンジャマン・ルシュール、マルコ・ロカテッリ、カトリーヌ・ムシェ
原題:Hors normes
英題:The Specials
2019年/フランス/114分
評価:★★★★★★★☆☆☆
他の施設では手に負えなくて入所拒否をされるような重度自閉症の若者たちも受け入れて世話をし、自立支援を行っている無認可施設の実話に基づく話ですね。
地下鉄に乗ると非常停止ボタンを押したくなっていつも電車を停めてしまう青年とか、自分の頭を壁や床に叩きつけるので、怪我をしないようにいつもヘッドギアを着けている少年とか、暴れてスタッフを殴ったりするような入所者もいる。
そんな厄介な施設では職員の成り手もいないせいか、ドロップアウトした若者を教育して自立支援を行っている組織と提携して、支援員を確保しているようなんだけど、彼らは無資格でヘマをやったりもするため、厚生省から問題視されて監査を受けるという話。
それでも、この施設が閉鎖されてしまうと、入所者は行くところがなくなってしまうため、違法ではあっても仕方なく存在が認められることになったようで、福祉問題の難しさを考えさせられる作品でしたね。
日本でも、自閉症支援施設の絶対数は足りていないようだし、やはり施設でも手に負えないような厄介なケースだと、精神病院に監禁されたりするようなこともあるのかもね。日本にも、こんな良心的な施設があれば良いんだけど、融通の効かない日本なら、行政処分を受けて閉所に追い込まれてしまうかも知れないなあと思いました。(^^;