監督:P・B・シェムラン
原作:サイモン・ウィンチェスター
脚本:トッド・コマーニキ、P・B・シェムラン
撮影:キャスパー・トゥクセン
音楽:ベアー・マクレアリー
出演:メル・ギブソン、ショーン・ペン、ナタリー・ドーマー、エディ・マーサン、ジェニファー・イーリー、スティーヴ・クーガン、スティーヴン・ディレイン、ヨアン・グリフィズ、ジェレミー・アーヴァイン
原題:The Professor and the Madman
2018年/イギリス、アイルランド、フランス、アイスランド、アメリカ、メキシコ、ベルギー、香港/124分
評価:★★★★★★★☆☆☆
オックスフォード大学の出版局が発行している世界最大の英語辞典である『オックスフォード英語大辞典』の編纂に功績のあった2人を描いた伝記映画。
この辞書は、前に大学の英語の授業で見せられたことがあるけど、各単語の語源から始まり、古今東西のあらゆる文献から引用された歴史的な意味の変遷が年代順に記されていて、言ってみれば発掘された遺跡の展示会みたいな感じ。たとえば、makeという単語は、現在では様々な意味で使われているけど、初めっからそんなに沢山の意味を持っていたわけではなく、いつ頃から新たな意味で使われるようになったのかということも、文献を丹念に調べていって分かるようになっているというわけです。
そんな辞典の編纂というのは、想像しただけでも気の遠くなるような作業で、初版の発行までに70年もの歳月を要したわけだけど、その編纂に関わった中心人物が、学校には14才までしか行ってなくて、その後独学で英語を学んだというジェームズ・マレー。さらに、その最大の協力者となったのが、統合失調症による幻覚から殺人を犯してしまい、医療刑務所に入れられている元軍医のウィリアム・マイナーだったという話。
やはり常人にはとても出来ないような作業だったのかも知れないけど、2人に対する世間の偏見などもある中で成し遂げられた偉業だったようで、まさに驚きの誕生秘話でした。