監督:ルイス・ブニュエル

原作:ベニート・ペレス・ガルドス

脚本:ルイス・ブニュエル、フリオ・アレハンドロ

撮影:ホセ・アグアイヨ

出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、フェルナンド・レイ、フランコ・ネロ、ローラ・ガオス、アントニオ・カサス、ヘスス・フェルナンデス、ヴィセンテ・ソレル、ホセ・カルヴォ、フェルナンド・セブリアン

原題:Tristana

1970年/スペイン、フランス、イタリア/99分

公式サイト

評価:★★★★★★★☆☆☆

 

これも、なぜか華麗なるフランス映画特集で上映されている地味なスペイン映画ですね。(^^; せめて華麗なるフランス俳優たちぐらいのタイトルにしておけば良いのに、イタリア語やスペイン語とフランス語では耳障りもかなり違うし、おしゃれなフランス映画みたいなイメージを期待して見に来ているお客さんは、さぞかしガッカリするような気がしますね。

 

本作は、『昼顔』の姉妹編みたいな感じで、やはりルイス・ブニュエル監督とカトリーヌ・ドヌーヴのコンビで、女性の持つ二面性を描いた作品ですね。無垢で優しかった美少女が冷酷な悪女に変わっていくという話なんだけど、そのきっかけというのが病気のために片脚を失ってしまったことというのはいかにも安易な感じで、今の感覚だと障害者差別みたいな印象も受けるし、あまりピンと来ませんでしたかね。それに、駆け落ちして出て行った彼女が、嫌いなエロじじいの家に戻りたいと思うようになる気持ちも分からなくてご都合主義のように思えたし、ブニュエル監督作品にしては演出も平凡に思えました。

 

カトリーヌ・ドヌーヴは出演当時26歳ぐらい。でも、本作では10代ぐらいからの役をやっていて、前半は可愛らしい感じだったけど、やはり『シェルブールの雨傘』の頃の圧倒的な可愛らしさと比べると、少し痛々しい感じでしたかね。演技もまだあんまり上手くなくて中途半端な年代の頃の作品かなと思いました。