監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ

脚本:オレグ・ネギン、アンドレイ・ズビャギンツェフ

撮影:ミハイル・クリチマン

出演:マリヤーナ・スピヴァク、アレクセイ・ロズィン、マトヴェイ・ノヴィコフ、マリーナ・ヴァシリヴァ、アンドリス・ケイス、アレクセイ・ファティーフ、セルゲイ・ボリソフ、ナタリア・ポタポヴァ

原題:Нелюбовь

英題:Loveless

2017年/ロシア、フランス、ドイツ、ベルギー/127分

公式サイト

評価:★★★★★★★☆☆☆


昨年のカンヌ映画祭の審査員賞受賞作。離婚協議中の夫婦の諍いを通して、人間のエゴイズムや愛の不毛を浮き彫りにした作品ですね。


ベルイマンの『ある結婚の風景』を意識した作品ということだけど、ベルイマン作品の方は大部分が二人だけの会話劇だったのに対し、本作ではそれぞれに新しい恋人もいる中、息子が失踪する事件が起きるという話で、娯楽サスペンス的な要素もありましたね。


ただ、その息子が結局どうなったのかという結論は示さず観客の想像力に委ねたりして、ストーリーにはそれほど重きを置いていないような感じ。ラストシーンでは、それぞれの新しいパートナーとも冷えた関係になりつつあることを示唆し、同時に戦闘の続くウクライナ情勢のテレビニュースを流して、ロシア社会全体がギクシャクして冷えきっているような印象を与えて終わる作品でした。最初と最後の不穏な音楽も印象的でしたね。


でも、そんな冷え冷えとした話の中にあって、行方不明者を捜すボランティアの人たちの活動には救われるところ。警察が家出人をまともに捜そうとしないのは日本でも同じだと思うけど、このような警察顔負けのプロフェッショナルなボランティア団体が存在することは、ロシア社会にもまだ希望が持てるのかなと思いました。