監督:溝口健二
原作:上田秋成
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脚本:川口松太郎、依田義賢
撮影:宮川一夫
出演:京マチ子、水戸光子、田中絹代、森雅之、小沢栄、青山杉作、羅門光三郎、香川良介、上田吉二郎、毛利菊枝、南部彰三、光岡龍三郎、天野一郎、尾上栄五郎、伊達三郎
1953年/日本/97分・モノクロ
評価:★★★★★★★★☆☆
溝口健二&増村保造映画祭。増村保造は倒産した大映の出身で、溝口健二も本作以降の作品は大映で撮っていたせいか、松竹や東宝出身の監督の作品などと比べると上映される機会は少ない感じがしますよね。海外では溝口健二といえば黒澤明や小津安二郎などにも引けをとらないほど有名な監督じゃないかと思うけど、そのわりに日本での知名度がいまいちなのはそんな理由もあるのかも知れませんね。幸いにして大映の流れを汲む角川映画が、角川シネマコレクションを設立して、このような映画祭も開催されるようになったみたいだけど、たとえば今はなきATGや独立プロの作品なども地方では上映される機会がほとんどないし、こういう過去の名作に対しては、映画会社の枠を越えた上映システムが作れないものなのかなと思いますね。
本作は、世界的にも有名な溝口健二の代表作。今年公開されたマーティン・スコセッシの『沈黙 -サイレンス-』にも、本作を参考にしたと思われるような小舟のシーンが出てきましたね。上田秋成の怪異文学を原作とした教訓的な戦国ファンタジーだけど、ずっとリアルっぽい感じで描かれていて最後にゾッとさせられるところが味わい深いところでした。クラシックから邦楽まで、バラエティに富んだ音楽が使われていたのも印象的で、やはり名作と言われるような作品には、音楽が印象的なものが多いですね。
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