監督:フォ・ジェンチイ
原作:ポン・ヂェンミン 脚本:ス・ウ
撮影:ジャオ・レイ
出演:トン・ルーチュン、リウ・イエ、ジャオ・シィウリ、ゴォン・イエハン、チェン・ハオ
原題:那山 那人 那狗 (あの山、あの人、あの犬)
英題:Postmen in the Mountains
1999年/中国/93分
公式サイト
評価:★★★★★★★☆☆☆

午前十時の映画祭で観てきました。これは、これまでこの映画祭に選ばれた作品の中では、唯一タイトルすら知らなかったんだけど、日本公開が2001年ということで、当時は全く映画を観ていなかった時期でしたね。

ちなみに、当時の私はネット上で占い師をやっていたんだけど、占いもそんなに当たるわけではなかったし、相談して来るお客さんの中にはメンタルに問題を抱えた人も多いことに気付き、占いだけでは対応しきれないように感じていたので、一念発起して放送大学に入学し心理学も学ぶことにしたわけです。それが2001年の4月で私が43才の時でした。高校を卒業してから25年も経っていたし、初めはなかなか大学の勉強にも付いていけないところがあって、数学などは姪から高校の教科書を借りて勉強し直したりして結構大変だったので、在学中は映画を見ているような余裕もありませんでしたね。

でも、その甲斐あって単位を落とすこともなく、専攻外の科目でBとCが一つずつあったけど、それ以外はすべてA以上の成績で無事に卒業することが出来、まだまだ何かやれそうだという自信に繋がったものでした。それで、いっそのこと大学院まで進んで臨床心理士でも目指すか、あるいは元々簿記は1級の資格を持っていたので、会計大学院から公認会計士でも目指そうかとも思って考えてみたんだけど、結局学費を捻出するのが難しそうだったので断念することにしました。

それでも、宝くじでも当たるかも知れないし、一応大学院入試の準備だけはしておこうかと思って調べてみたら、東北大の会計大学院では英語の試験をTOEICのスコアで代用するということだったので、48才の時に初めてTOEICも受けてみて775点も取っておいたんだけど、残念ながら宝くじが当たることもありませんでしたね。(泣)

と、話がすっかり横道にそれてしまったけど、本作は朝の10時から観るには眠くなりそうな、地味なアート系の作品でしたね。80年代初頭の中国の山岳地方を舞台にした物語で、歩いて村々を回り郵便物を配達している親子の話だけど、配達区域を一回りするのに、山道を1日40キロ歩いて3日間も掛かるそうで、日本では想像もつかないようなスケール。(*_*)

そんな長年のハードな労働で父親は膝を痛めて息子に仕事を譲ることになり、デビューの日に父親も一緒について行くことになって村々を巡り歩くロード・ムービーだけど、そんな中での親子の絆や、次男坊と呼ばれる助手の犬や村人たちとの心温まる交流を描いた話で、古き佳き時代の厚い人情が偲ばれる作品でした。

都会に住んでいると、あまり郵便局員との交流も少ないんだけど、岩手の山の中の母の実家などでは、ちょうど家の真向かいが郵便局で、昔は郵便物が届くと局長さんがすぐに持ってきてくれて、ついでにお茶を飲んで行ったりとかもしたそうで、そんな話なども思い出しながらノスタルジックな気分になりました。
 
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