監督:ウィリアム・ワイラー
製作:サミュエル・ゴールドウィン
原作(戯曲)、脚本:リリアン・ヘルマン
¥6,627
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撮影:グレッグ・トーランド
録音:フランク・メイハー
編集:ダニエル・マンデル
美術:ステファン・グーソン、ハワード・ブリストル
音楽:メレディス・ウィルソン
出演:ベティ・デイヴィス、ハーバート・マーシャル、テレサ・ライト、リチャード・カールソン、ダン・デュリエ、パトリシア・コリンジ、チャールズ・ディングル、カール・ベントン・リード、ジェシカ・グレイソン、ジョン・マリオット、ラッセル・ヒックス、ルシアン・リトルフィールド、ヴァージニア・ブリサック、テリー・ニバート、ヘンリー・トーマス
原題:The Little Foxes
1941年/アメリカ/115分・モノクロ
ベティ・デイヴィスの悪女ぶりが印象的な、彼女の代表作の一つですね。リリアン・ヘルマンの舞台劇の映画化で、舞台の方ではタルラー・バンクヘッドが主役を務めて好評を得たものの、ウィリアム・ワイラー監督は、『黒蘭の女(1938)』、『月光の女(1940)』に続いて、またもやベティ・デイヴィスを主役に起用することになりました。当初ベティの所属先のワーナーブラザーズ社は、彼女を貸し出すことを拒んでミリアム・ホプキンスを推したものの、ワイラーはあくまでもベティに固執し、さらなる交渉の末38万5000ドルという巨額のレンタル料で出演が決まったそうです。
しかしながら、ベティは役作りや演出方針を巡って監督と激しく対立し、役を降りる寸前まで行ったそうで、結局ウィリアム・ワイラーとベティ・デイヴィスのコンビは本作が最後となりました。監督は、もっとソフトで思いやりのあるキャラクターを要求したということなので、ベティが自分の主張を通したということなんでしょうかね。かくして映画史上に残る悪女が誕生したわけで、彼女が演じたレジーナ・ギデンズは、アメリカ映画協会が2003年に発表したベスト100ヒーロー&悪役の悪役部門で43位に入りました。
本作は、アカデミー賞では、作品、監督、脚本、女優(ベティ・デイヴィス)、助演女優(パトリシア・コリンジ、テレサ・ライト)、編集、白黒美術、劇映画音楽賞の8部門にノミネートされましたが受賞はなりませんでした。日本では1954年に公開されて、キネ旬ベストテンの第10位に入っています。
原題の小さな狐たちというのは、旧約聖書の雅歌2章15節 "Take us the foxes, the little foxes, that spoil the vines: for our vines have tender grapes."からの引用。金儲けのために汚い策略を巡らす人々を、ぶどう園を荒らす子狐にたとえた話ですかね。
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