監督：木下恵介
原作：深沢七郎
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出演：田村高広、高峰秀子、市川染五郎、中村万之助、田中晋二、岩下志麻、加藤嘉、織田政雄、大源寺竜介、山岡久乃、矢吹寿子、小林トシ子、渡辺文雄、荒木道子、伊藤弘子、川津祐介、中村勘三郎、松本幸四郎
1960年/日本/118分・パートカラー
評価：★★★★★★★★☆☆
木下恵介監督の、『楢山節考(1958)』に続く深沢七郎作品を原作とした実験映画ですね。今度はモノクロフィルムに部分的に着色するという趣向で、イメージ的には部分的に着色した墨絵みたいな味わいもあり、淡々とした物語に強弱をつけるアクセントにもなっているし、個人的にはなかなか面白いと思いました。
物語の舞台は戦国時代。武田家三代の隆盛から滅亡までの６０年あまりの歴史を背景に、時代の波に翻弄される百姓一家の年代記を描いたもので、娘役から老け役までをこなした高峰秀子の熱演が光っていました。木下監督にしては珍しいと思われる時代劇だけど、合戦シーンなどもなかなかの迫力でしたね。
木下恵介というと、お涙頂戴の商業監督みたいなイメージもあるんだけど、その一方でこのような前衛アートみたいな作品も残していて、やはり才能に溢れた監督だったんでしょうね。これで、木下作品を見るのはようやく６本目ぐらいだけど、機会があればもっと他の作品も見てみたいと思いました。
原作者の深沢七郎は、実は私が映画の専門学校時代、作家研究の対象として選んだ作家で、この原作も読もうと思って買ったはずだけど、あまり真面目な学生ではなかった私は、その後学校もさぼりがちになり、結局本も未読に終わってしまいました。（＾＾； きっと今も本箱の隅っこで眠っているはずなので、今度引っぱり出してきて読んでみようかなと思っています。
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