7月19日(金)  「土用干し 」


Iさんは毎年この時期に、祖母から教えてもらった「土用干し」をすることにしています。
7月中旬を過ぎると、祖母は「お気に入り」と呼んでいる本や服を棚やたんすから取り出し、縁側で陰干しするのです。
それらを運んだり広げたりするのがIさんの仕事でした。しばらく干した後、またきれいに畳んで収納します。子ども心に「なぜこんなことをするのか」
と不思議に思って尋ねてみたことがあります。
祖母は次のように教えてくれました。「梅雨の湿気を吸った本や洋服を乾かして、長持ちするように手入れをするのよ」。
Iさんは、そのころを思い出しながら、毎年自分のお気に入りを土用干しします。身の回りの物を本棚やクロ-ゼットから出して干すことで、持っているものを再確認できます。カビや虫食いを防ぐのはもちろん、不要なものを整理する機会にもなっています。
昔からの生活には、暮らしを整え、より良くするための知恵があります。古き良き生活の文化を見直してみてはいかがでしょうか。

【今日の言葉】古き良き文化を現代に生かそう

《今日の一言コメント》
梅雨明けに、お気に入りを日影ぼしする風習は、とても理に適っていますね。
先人の智慧には驚かされることばかりだなと思いました

皆さんの意見も聞かせてください
※この記事は、コミニケ出版「月刊朝礼」より。ご希望の方は下記のHPで
https://www.kominike-pub.co.jp/