7月13日(土) 『手ぬぐいを贈る文化 』 


新年の挨拶やイベントの記念品として、企業名やお店の名前が入ったタオルをもらったことはありませんか。
タオルを配る風習は、江戸時代、歌舞伎役者が後援者に手ぬぐいを配ったのが由来だといわれています。以来、さまざまな業種でタオルや手ぬぐいが配られるようになりました。
落語の世界もその一つです。落語家は前座修業を終え、ニッ目に昇進すると自分の名前を染めた手ぬぐいを作ることが許されます。新年の挨拶や昇進のお披露目など、さまざまな場面で配る名刺のような役割を果たします。
デザインは古典柄から自身の似顔絵などそれぞれの個性が生かされます。たとえば、林家木久扇さんが使っていた手ぬぐいは、漫画家の手塚治虫さんによる鞍馬天狗が描かれていました。同じ柄を何年も配り続けている人もいれば、毎年新しいものを作る人もいるそうです。
日常品である手ぬぐいを配る文化は、「使うたびに思い出してほしい」という願いが込められているのでしょう。デジタル全盛の今、新鮮に感じられる文化です。

【今日の言葉】日常の品に願いを込めて

《一言コメント》
手拭いを配る習慣が、歌舞伎役者や落語家の名刺代わりとは知りませんでした。それにしても、江戸時代に、粋な風習を生み出したものだなと感心しました

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※この記事は、コミニケ出版「月刊朝礼」より。ご希望の方は下記のHPで
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