チェロ次男の夏の発表会の曲をいただいてきた。

ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲ニ長調第1楽章」。

 

チェロなのにヴァイオリン協奏曲。想像しただけで目眩がする。

 

ヴァイオリンで弾くならそんなに難しくないこの曲だが、チェロで弾こうとしたら悪夢だ。曲の98%A線しか使わない。しかも5ポジやら4.5ポジやらの中途半端なポジションをアレグロの16分音符でひたすら行ったり来たりするパッセージとかあって吐きそう。

 

そして何よりも。

 

楽譜がハ音記号(テノール)なのが気にくわない。初見で楽譜を読み解きながら弾いていると頭がオカシクなってくる。いや、弾いているのは次男であって、頭がオカシクなっているのは横で見ている私なのだが。

 

フツーにト音記号で書いてくれれば良かったのに(⬅写譜して移し替える気はさらさらナイ)。

 

ヴァイオリン弾きの私は、五線譜をぱっと見た時、「線の上にある音符」は「奇数」というイメージがある(ヴァイオリンを弾くひとにはたぶん分かってもらえると思う)。特に譜読みの段階でこの「ヴィジュアルイメージ」はとても重要だ。

なのに、テノール記号はそれが一音ずれるかたちになる。つまり、線の上の音符は「偶数」なのだ。それに加えてチェロ独特の指使い。なんとなく5ポジ以上になればヴァイオリンと同じ運指になるらしいのだが、未だにその境界が私にはわからない。ワケワカメ。

 

次男と一緒に楽譜と格闘し(時にはケンカしながら)、疲れ果てた今夜はイタリア人ヴィヴァルディにちなんで(?)アクアパッツァを。いつもは鯛や赤魚なんかを使うのだが、今日はふくふくと美味しそうなカレイを見つけたので、それを使う。
 
フライパンでにんにくとともにカレイにしっかりめに焼き色を付け、プチトマトと旬のアサリをたっぷり投入。そしてパンがかんかんに熱くなってきたら水をじゃーっとぶっかける(日本でよく見るレシピでは白ワインを使うと書いているものが多いようだが、「アクアパッツァ(狂った水)」の名の通り絶対水を使うべきだと思う。ワインを使うとへんに酸っぱくなってトマトの酸味と合わない)。
アサリが開いたらあまり煮すぎないうちに具材を取り出す。そのあとは残ったオリヴオイルがしっかり乳化するまで煮詰めてから、具材の上にどばっとかける!仕上げにゲランドの粗塩とパセリを。
 
カレイのアクアパッツァは初挑戦だったが、大ヒット。とてもお上品な口当たりでした。
あしたも頑張ってテノール記号と戯れよう。はぁ…。