神明庵のすぐそばには「神明宮」という神社がありました。
「神明」というのはこのあたりの地名ですので、あちこちにその名前はついていますが、草加宿では一番北のはずれになり、すぐそばを国道が走っていますのでそちらは車の通りが激しく、旧道の方は人通りもまばらになっています。

敷地の関係で大変小さな社殿ですが、歴史は古く正徳3年(1713年)に草加宿の総鎮守として建立され、現在の社殿は弘化4年(1847年)に再建されたものです。

非常に地味で小さな神社の隣には、国道を往来する車を目当てに「紅虎餃子房」なる全国チェーンの店が派手な看板を出していますので、どうにもアンバランスな組み合わせでした。

どうやら明治42年(1909年)には草加神社と合祀されたとありますので、今ではここは無人の神社ということでしょう。
何やら草加宿に力自慢の者が集まって競った時に用いた力石があったりします。

この石は神明宮の鳥居を作る際に測量した石ということですが、当時のイギリス方式の測量は結局採用されず、ドイツ方式で測量が行われました。
しかし、その石が現存するということも非常に珍しいものです。



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