東京メトロ九段下駅の地上に上がったところに2つの像が建っています。
一人は大山巌(1842-1916)で、薩摩藩士から陸軍大臣・貴族院議員などを歴任した人物で、西郷隆盛とは従兄弟の間柄になります。

薩摩藩士として戊辰戦争などを戦った後、明治維新後の明治2年(1869年)普仏戦争などを視察、ジュネーブに留学、いち早く開国後の日本にヨーロッパの文化をもたらすことになりました。
しかし、元は軍人ですから帰国後、西南戦争にも参戦して親戚にあたる西郷隆盛とも戦っています。

大山巌は生涯そのことを気にしていて、出身地である鹿児島へは二度と帰ることがなかったそうですが、西郷家とは親しい間柄はずっと続いていたそうです。

品川弥二郎(1843-1900)は長州藩士で、明治維新後はやはりヨーロッパ留学を経て松方内閣の内務大臣に就任するのですが、警察を動員して強力な選挙干渉を行った際に死者25人を出したことの責任を取って辞任しています。
この頃の日本はまだまだ政治的自由が与えられていない時代でした。

その後は獨逸学協会学校(現:獨協学園)や旧制京華中学校(現:京華学園)を創立し、信用組合や産業組合の設立にも尽力しています。
どちらかと言うと民間人であった方がよかった人なのでしょう。

どうも九段周辺は靖国神社の存在もあり、軍人などの像がやたら目立ちます。
今の時代ではとても銅像を建てるとは思えない人のものが多くあります。



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