こんな時だから被災について真面目に考えた。

 

 

今度こそ非常持出品の準備をしよう。危機感は何故すぐ薄れてしまうのか、今まで何度も挫折した。

 

ここで危機と言えば「噴火」以外にない。20年前の9月1日、大きな爆発音に驚いて地下の職場から外に飛び出すと、遠くに見える浅間山が真っ赤な火柱を上げていた。

恐ろしい光景だった。

 

職場から浅間山山頂までは約9km。こちらは距離があったが反対側約5kmのところに私の家があり、家族がいる。ようやくかみさんに連絡が取れたのでとにかく子供だけ連れて、直ぐに二度上峠に逃げるよう伝えた。

 

自分も仕事を放り出して向かおうと思ったが国道146号も白糸ハイランドウェイも既に通行止め。群馬側に回り込んで地蔵峠の山道を延々走りなんとか合流できた。噴火が少し落ち着いて家に戻ると家中、家の中までびっしり火山灰が積もっていた。

 

恐ろしい記憶にも関わらず、真面目に思い出そうと思ったのは今日が初めてだ。

 

 

実はその話をするつもりはなかった。お見せしたかったのはこの写真。おそらく40年以上前に購入したイギリス製「カリマー」のフレームザック。山に行くのも旅をするのも、海外に行くのもいつも一緒だった。永い間押入れの奥に眠っていたのだが、今回、非常持出用ザックとして日の目を浴びることに。とはいえできれば活躍する日がこないでほしい。