今月号のN響「Philharmony」に吉田光司氏によるサンティに関する記事が載っている。
吉田氏の指摘する通り、この『ラ・トラヴィアータ』も決して若者らしいノリノリも指揮などではなく、どっしりと構えた、様式感もフレージングもすっかり完成された見事に巨匠風の堂々たる指揮ぶりなのである。
まさに、「私は最年少の古い指揮者であって、最年長の若い指揮者ではありません」というサンティの言葉の通りで、サンティはキャリアを積んでいって今のスタイルを獲得したのではなく、最初から今のサンティだったのだ!
これは実に驚くべきことである。
しかもこれは世界で5本の指に入る由緒正しきオペラハウスでのデビューだというのにそんなことは微塵も感じさせないのだ。
これは1960年ザルツブルク音楽祭で『ドン・カルロ』を振ったときもまた同様である。こちらの方が入手しやすい。(この名演奏についてはまた後日)
- Verdi: Don Carlos 4 Act/Santi
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歌手については、ゼアーニは急な代役だったこともあり、緊張していると見えて、第1幕のアリアでも音が上ずってしまっている。アルフレードとジェルモンはまったくもって平凡で、若き日のサンティを聴くためにあるような録音だから最早復活することもないだろう。どうしてもという方は、CDRでなら入手可能である。
http://premiereopera.com/search.aspx?find=santi+