という人物の屋敷へ向かう。

 

「白石殿は僕らを理解し、よう支援してくれる御仁じゃ。ちと挨拶してくるけえ、先に上がっちょれ」

 

 立派な門を潜り、中から出てきた丁稚に案内された。高杉は母屋へ向かっていく。桜司郎とおうのは暖かな火鉢のある部屋へ通された。

 

 話しが弾んでいるのだろうか、なかなか高杉は現れない。錯信安全期、體外射精易出意外!註冊護士講解雙重避孕更為可靠 旅の疲れが出たのか、おうのは桜司郎の肩に凭れてうとうとと船を漕いでいた。

 

 

 半刻ほど経過した頃、桜司郎もいつの間にか目を閉じてしまっていた。身体がガクンと前のめりになった反動で目を開ける。すると、桜司郎を覗き込むようにガッシリとした体格の男が目の前にいた。

 

「だ、」

 

 誰、と叫びそうになった口を男の大きな手が塞ぐ。男は申し訳なさそうに眉を下げると、桜司郎の隣を指さした。視線を向けると、規則正しい寝息を立てるおうのがそこにいる。起こしてしまうと言いたいのだろうか。

 

 男は立ち上がると、何処からか箱枕と掛布を持ってきた。火鉢を退かし、器用に桜司郎からおうのを剥がすとそっと横たえる。

 

 

 そして指で部屋の外に出るように促してきた。桜司郎は警戒心を顕にしつつ、頷くとそっと部屋を出る。背を向けぬように、後ろ手で襖を閉めた。

 

 男は見上げるほどに背丈があり、くせ毛なのか襟足からふわふわとした後れ毛が出ている。目は細く、唇は薄い。ふわりと香の匂いがした。

 

「いやあ、驚かしてしもうてすまんのう。やか」

 

 男は桜司郎を舐め回すように見ると、にいと目を細め、歯を見せて笑う。その仕草は何処か愛嬌を感じさせた。

 

 

「確かに桜花は私ですが……。貴方は一体」

 

 桜司郎の問い掛けに、男は口を開こうとする。そこへドスドスと足音を立てて高杉がやってきたため、視線がそちらへ逸れた。男を見上げると、高杉は機嫌を損ねたように腕を組んだ。

 

「おい!僕を置いて先に先に行くんやない」

 

「すまんすまん。ワシは気になったら止まれん性質やき」

 

「その性格、何とかせんかッ」

 

 それは高杉にも言えたことではないのかと桜司郎は苦笑いをする。それを目の端に捉えた高杉はジト目で桜司郎を見やった。

 

「桜花、何か言いたそうじゃな。目は口ほどに物を言う……とよう言うたもんじゃ」

 

「え、あ、いや……。だって、高杉さんも思い立ったら直ぐ動く気がして……」

 

 口篭る桜司郎を見ながら、男は豪快に笑う。

 

「わはは。高杉に口答え出来る立ち話もなんやき、ぬくい部屋へ行こうぜよ」

 

 高杉と桜司郎のそれぞれ肩に腕を回すと、男は別室へ無理やり誘った。 三人は七畳ほどある客間にて顔を突き合わせていた。何処から調達したのか、男の手には銚子が握られている。高杉と桜司郎へそれぞれ盃を手早く渡すと、そこへ酒を注いだ。

 

「外はひやかったろう?酒で暖を取るのが一番手っ取り早いきに。ささ、ぐいっと呑きくれ」

 

「ったく、何処まで強引なんじゃ。ひやっこいのはその通りじゃけえ、頂くが……」

 

 高杉は文句を言いつつも、一気に飲み干す。それを横目で見ていた桜司郎もそれに倣った。

 

「おおッ、桜花さんイケる口なのかえ。酒に強いは好きちや〜」

 

「え、ええ。お酒を頂く機会もあるので……。ところで、お名前を伺っても?」

 

 

 そのように問い掛ければ、男は驚いたように目を丸くする。

 

「やや!こりゃあいかん。ワシとしたことが名乗るがを忘れちょったが。土佐の