愛とばぁちゃん、どっちが先にいくかな？
たまに母は、愛にそう語りかけていました。
ふたりともまだまだやって。
まだ先の事だと思っていましたが、母が先に逝きました。
昨日、木曜日の19時前の夕空。
1週間前はどんな空だったのかな。
1週間前、6/25（木）の夕方に、母は旅立っていきました。
木曜日、職場を出て3分ほど走ったところで父から電話がありました。
ばぁさんが倒れて、今救急車が来てるんやけど。
え？どういうこと？とりあえず行くわ。
母はよくコケるので、認知症がある父が、
母がコケたくらいで救急車を呼んだの？と思い
近ければすぐに帰ってもらおうと、まずは弟に電話しました。
しばらく走るとまた父から電話が。
今度は、近所のおばちゃんが代わってくれて状況を説明してくれました。
お母さんが倒れて救急車が来たけど、心臓が止まってるんやって。
行き先の病院を聞いておくから、慌てず気をつけて帰ってきねや。
またすぐ弟に電話。
実家に着くと、警察が現場検証をしていて入れず。父が状況を聞かれていました。
弟から連絡を受けた義妹ちゃんも帰ってきていました。
どうしたらいいんだか・・・玄関先で状況を見ているだけでしたが、
ご近所のおばちゃんが、
医学部病院に運ばれたから早よ行ってあげね、と促してくれて
後は義妹ちゃんに任せて先に走りました。
救急外来の先生から説明を受けているうちに涙が溢れてきました。
意外に冷静に聞けて、現実味がなくて、自分がドラマのワンシーンにはまり込んだような感じでした。
心臓は蘇生しましたが、呼吸が5分以上止まっていて高齢ということもあり、いわゆる脳死状態。肺も機能していないそう。
常々、持病から解放されたい、機械につながれたまま生きるのは嫌だと言っていた母。
わたしの一言で、母の命が決まってしまうのか・・・迷いもありましたが
積極的な延命はせず、自然に任せていただくことにしました。
手動で空気を送られている母のもとに行き、手を握ったり頬を撫でたり。
母の最後の温もりを覚えておきたいと思いました。
心拍数がだんだん下がっていき、20分後、いつか見たドラマのように、
数字が0になり機械がピーっと鳴りました。
逝っちゃった。
朝実家に寄った時は、いつもどおりだったのに。
ちょこまか動いて転びそうになっていたので、
家の中でもちゃんと杖つきねや！ほな、行ってきます。それが最後の会話になりました。
骨折の手術とリハビリのための1ヶ月以上の入院から退院してきて4日目でした。
ディサービスでは、楽しそうに過ごしてきたそうです。
帰ってきてから、家の中で前のめりに転んで息が詰まったよう。
検査の結果、誤嚥性肺炎がありました。
突然過ぎて、まだ入院しているような感覚です。
コロナ予防で入院中見舞いに行けませんでしたが、
2週間に1回の整形外科への通院の時だけ会えました。
整形外科から、入院先の病院へ送る途中、
パンとソフトクリームが欲しいというのでスーパーに寄りました。
車の中で、美味しそうにソフトクリームを食べる母。
一緒のお出掛けはそれが最後になりました。
病気にならなかったら、もっといろんな所に、一緒に行きたかったね。
わたしと同じ頃にフラも始め、1年半ほどは昼のクラスに通ったでしょうか。
友達もでき楽しそうでしたが、パーキンソン病になり、足が思うように動かずやめました。
社交的で行動的だったので、病気でたくさんのことを我慢したと思います。
痛みにも耐えました。
それらから解放されて、これでよかったのだと思います。
お通夜の前の晩、ふいに思いたって、家にある材料でパネルを作りました。
夜に思い立ったので、写真はわたしとのものばかりですが
母の入院中に、認知症が進んだ父。
母が居なくなったことをすぐ忘れます。
おっかは、どこ行ったんや？
お母さんは、死んじゃったって。先週木曜日に。
死んだんか、かわいそうにな。
しばらくするとまた同じ会話が、掛け合い漫才のように繰り返されます
父の中ではまだ生きている母。
死んだり生き返ったり忙しいけど。お母さんも、楽にしてられないねぇ。
家族を亡くしたら、ずっと悲しいのかと思っていましたが、意外とそうではありませんでした。
人それぞれだとは思いますが。
胸に空いた穴に、滴がぽちゃんぽちゃんと知らない間に溜まっていて、
時々ふいに淋しさが溢れ出す感じです。
とてもポジティブ人間だった母。
わたしも、元気に前向きにやっていくよ。
お通夜の日の朝散歩。
8年半実家に通った愛は、前の日に、お別れをしに行きました。
母の顔をクンクンしていました。
棺には、母がずっと飾ってくれていた愛の写真も入れました。
今まで一番美味しいと思ったソフトクリーム、教えて！
白馬で食べた巨峰ソフトクリームかな。
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