介護の現場では、利用者が不安定になりそうな事柄を伏せて、事実と異なる話をすることがあります。


施設全体で行う場合と、職員個人の判断で行う場合の2パターンが存在します。


たとえば前者は、ある職員が退職したことを伏せて「異動した」と言うなど。


後者は、本当は休憩に行くのに「就寝の準備をしに行くから、準備が出来るまで待ってて」と言うなど。




どちらの場合も、私はしたくないです。


もちろん、そもそも嘘が良くないからという理由もあります。


しかし「嘘も方便」と捉えたとしても、ある問題が生じます。


言う事が職員によって、多かれ少なかれ違ってしまうという問題です。


職員個人の判断で嘘の話を伝えたとしたら、当然ながら他の職員と話が食い違います。


施設全体で口裏を合わせたとしても、話す内容が職員によって微妙に違うということが必ず起こります。




こうした食い違いに気づいた利用者は、職員に不信感を抱くでしょう。


仮に利用者が誰も気づかなくても、客観的に見て職員たちの話が食い違っている状況は非常に虚しいです。


それならば、言い方を工夫して事実を伝えるほうがいいと私は思います。